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全国唯一、少年院と地域住民の運動会 安曇野の有明高原寮

在院者と地域住民が一緒になって白熱した勝負を見せた綱引き=安曇野市穂高有明の有明高原寮で

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 安曇野市穂高有明の少年院「有明高原寮」は八日、地元の宮城公民館と共催で恒例の運動会を開いた。全国に五十の少年院があるが、在院者と地域住民が一緒になって運動会を実施するのは唯一。高原寮次長の佐野雅之さん(55)は「在院者にとって、一人の青年として受け入れてもらえる温かみは自己肯定感の向上につながる。令和の時代もずっと続いてほしい」と感謝の言葉を述べる。

 澄み切った青空の下、万国旗が風に揺れるグラウンドで開かれた「第三十二回鐘の鳴る丘大運動会」。十六〜二十歳の男性在院者六人と、地域住民およそ百二十が参加した。

 紅白対抗戦のため勝ち負けはあるが、あめ食い障害物競走で子どもたちがうどん粉で顔を真っ白にしてゴールする姿に笑い声が響くなど、和気あいあいとした雰囲気。一方で得点の高い綱引きは真剣。子どもから大人まで約二十人ずつがチームの名誉を懸けて戦い、勝利チームは在院者と住民たちがハイタッチして喜んでいた。

 運動会は宮城公民館の行事の一環で、年間では他にもソフトボール大会やソフトバレーボール大会なども在院者と一緒に楽しんでいる。同館長の玉田和宏さん(61)は「宮城地区はもともとオープンな気質の人が多い地域。純粋に青年たちの成長の姿が見られるのがうれしいです」と笑顔で語る。

 有明高原寮によると、一九四六年から戦災孤児を育てる司法保護団体「松本少年学院」の運営が始まり、四九年には法務省が施設と土地を買収して高原寮が発足した。当時から地域との強いつながりが続くという。

 運動会に二十年以上参加している宮沢一弘さん(79)は「彼らが今後、困難に直面しても、この温かい関係性が頑張る励みになってくれたらうれしいね」と願った。

 (松本貴明)

 

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