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自然派化粧品の市場好調 水にこだわり大町に拠点

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 植物由来の成分を主とする自然派化粧品や、有機栽培の素材を使った化粧品の市場が拡大し、県内の関連企業も売り上げを伸ばしている。市場調査の矢野経済研究所(東京)の調査によると、こうした化粧品の二〇一七年度の市場規模は、前年度から5%増の千二百九十七億円となり、七年連続で増加した。同研究所は「環境を意識したライフスタイルを志向する消費者、敏感肌を自覚する女性の増加などが背景にある」と分析している。

◆リピーター増

 「特にこの二〜三年、ヘアケアにお金をかける人が増えてきた」。大町市に生産拠点を持つ化粧品製造販売アルペンローゼ(東京)のブランド統括マネジャー皆藤真紀さん(51)は手応えを語る。

 自然派化粧品やオーガニックコスメの人気を受け、同社はシャンプーなどのヘアケアブランド「LaCasta(ラ・カスタ)」が好調だ。素材や品質へのこだわりから、三十〜四十代の女性が顧客の主力だが、最近は髪の傷みに悩む二十代の女性や薄毛の男性らにも広がる。

 ラ・カスタのブランドが立ち上がったのは一九九六年。成分の中で重要な水にこだわり、同社関係者の出身地である大町市に工場と自社農園を設けた。

 自社農園は一万一千平方メートルで、キク科のエキナセアを三千五百株栽培し、エキナセアから抽出したエキスを入れ、肌になじみやすい軟水を使ってシャンプーやトリートメントを製造している。

 白髪や抜け毛などに悩む人に薦める「アロマリヴァイタ」シリーズと、カモミールやラベンダーなどの精油を配合した「アロマエステ」シリーズなどを展開し、二〇一七年度の売上高は約十九億円で、前年度から10%増加した。

 皆藤さんは「自分の頭皮や髪の状態を知らないまま、合っていないシャンプーを使っている人が多い」と指摘し、増収要因の一つに直営店の存在を挙げる。頭皮の状況を調べ、商品提案する直営店を〇八年に東京・表参道で初めて設け、現在は十二店になっている。「効果を確実に実感してもらえ、再び来店するリピート率は非常に高い」と皆藤さん。

◆家族での利用も

 カモミール(和名カミツレ)を使った入浴剤や、スキンケア商品を扱う池田町のカミツレ研究所。オーガニック化粧品がブームになりだした二〇一二〜一三年は売り上げが30%増え、今年は赤ちゃんにも優しい入浴剤を展開する予定だ。

 カミツレ研究所は、一九八二年から肌の乾燥や炎症に効果のある入浴剤の「華密恋(かみつれん)」を販売。原料となるカモミールは、関連会社が町内の自社農園と全国各地にある契約農園の計千五百アールで三十トンほど栽培する。

 商品には、あえてオーガニックとうたってはいないが、同研究所の担当者は「アトピーやアレルギーと診断される人が増えたことも、背景にあるかもしれない。最近は女性だけでなく、家族での利用が増えている」と話す。

◆有機JAS認証も取得

 茅野市の化粧品製造販売「フロンティア蓼科」は、蓼科高原にある自社農園で栽培したバラからエキスを抽出し、化粧水などを製造する。売り上げは一九九八年の創業時から倍増し、特にこの二、三年の伸びが大きいという。

 消毒薬が含まれない天然水を化粧水に使おうと、創業者の山崎靖子社長(74)が別荘を持っていた蓼科高原に本社と工房、農園を構えた。千平方メートルほどから始まった農園は十倍に拡大。栽培する千本のオールドローズを使い、化粧水の「マダムロサ」シリーズやシャンプーを展開する。

 薬物に敏感な人のために無農薬栽培にもこだわり、農園は二〇一五年に有機JAS(日本農林規格)の認証を取得した。

 創業当初は一割に満たなかった男性の顧客も、現在は二割を占める。「ひげそり後のヒリヒリした感じや、かさつきに悩む男性が購入している」と山崎社長。中高年が多いが、若い人も取り込もうと、無農薬栽培のドクダミやシラカバを使った化粧水の商品化も狙う。

 (城石愛麻)

 

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