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なぜ今ごろ、病院側反発 厚労省の再編・統合議論対象

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 厚生労働省が先月二十六日、診療実績が少なく再編・統合の議論が必要だとして公表した全国の公立・公的病院のうち、県内では七病院が対象になった。だが既に再編を進めている病院が含まれるなど、内容にはずさんさが目立ち、病院側の反発は収まりそうにない。

 厚労省は高齢化で増え続ける医療費を抑えるため、病床の計画的な削減を求めてきた。今回の公表も再編議論を促す目的で、公立病院に加え、日赤などが運営する公的病院が調査対象となり、県内では二十八病院が調査対象となった。

 がん、心疾患などの六分野の診療実績と、災害、へき地医療などの計九項目で実績が低い病院が再編対象とされた。県内ではJA三重厚生連の大台厚生病院(大台町)、済生会明和病院(明和町)、町立南伊勢病院の三病院が「診療実績が特に少ない」とされた。

 近隣に同程度の実績の病院がある病院も対象。桑名南医療センター(桑名市)、JA三重厚生連三重北医療センター菰野厚生病院(菰野町)、亀山市立医療センター、済生会明和病院、市立伊勢総合病院が含まれた。厚労省は「必ずしも医療機関そのものの統廃合を決めるものではない」と説明。他の病院との統合に加え、病院の規模縮小などの検討を求めている。

 ただ、調査は主に二〇一七年六月時点の情報に基づいており、対象となった桑名南医療センターは昨年、他の二病院と統合して桑名市総合医療センターになり、病床も統合前の三病院の合計から三分の二以下に減らした。市立伊勢総合病院も今年新築移転し、病床数を減らしている。

 町立南伊勢病院も、病床数をこれまでの七十六から五十に減らして来月に高台に新築移転する。同病院の池山総一事務長は「なぜ二年前のデータで今ごろ発表したのか。開院直前にがっくりきた。患者さんにも病院がなくなるのではとの無用の不安が起きている」と憤る。

 一方で、県内の病床削減は国が期待するペースで進んでいないのも事実だ。県は二〇一五年に一万六千四百床だった病床数を、二五年には一万三千五百床まで減らす方針を打ち出しているが、昨年までに目標の13%にとどまっている。

 県地域医療推進課は公表を受け、県内の八地区ごとに病院の規模や再編方針を決める「地域医療構想調整会議」で議論する。担当者は「公表通りの結論にはならないが、議論のきっかけにはなるかもしれない」と話している。

 (森耕一)

◆利用者も不安や戸惑い、亀山市立医療センター

 厚労省の突然の再編「勧告」に、病院の利用者からも不安や戸惑いが漏れる。

再編や統合の議論が必要と判断された亀山市立医療センター=亀山市亀田町で

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 対象の一つ、亀山市立医療センター(同市亀田町)は内科や整形外科など四部門で外来診療を実施。七十三の急性期病床と、十九の回復期病床を備える。市内の地域医療の中心に位置付けられるが、鈴鹿市の病院と比べて診療実績が少ないと指摘を受けた。市内の主婦(50)は「規模が小さくなったり、なくなったりするなら、とても不便。車が運転できない年齢になったら受診が難しくなる」と不安を漏らす。病院の近くに住む女性(82)も「高齢だから、市内には十分な治療が受けられる病院があってほしい」と訴えた。

 こうした声に、センターの伊藤誠一・地域医療統括官は「(厚労省の公表は)病院の運営方針を大きく変えるものではない」と話す。一方で「広く地域的に見た上での役割」が求められるとして、急性期患者の受け入れは継続しつつ、鈴鹿市内の病院で急性期治療を終えた患者の受け入れを強化している現状を説明する。

 (渡辺雄紀)

 

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