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桑名のRDF発電終了 失策の後処理、今後も

稼働を停止したRDF発電所のボイラー棟。手前の緑地で燃料タンクが爆発した=桑名市多度町で

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 「ごみが燃料に生まれ変わる夢の技術」と県が旗を振った桑名市多度町の三重ごみ固形燃料(RDF)発電所が十七日、発電を終了した。死亡事故に加え、発電効率の悪さから参加市町にも大きな負担を強いた。今後も解体に十億円程度かかり、新たなごみ処理施設建設のめどが立たない市町もある。県政史に残る失策の後処理は今後も続く。

 午前十一時七分、発電用タービンに隣接する制御室で作業員が停止のスイッチを押すと、数分で発電電力量を示す表示は「0」に。発電所は十七年の歴史に幕を閉じた。

 県は二〇〇二年の稼働前、各市町がごみを加熱乾燥しRDFにして持ち込めば、その後の費用は不要と説明してきた。だが実際には、稼働当初から参加市町にごみ一トンあたり三千六百円の負担を求め、一七年度以降は負担は同一万四千円にまで増えた。発電終了を求める市町の声が高まり、桑名市などでつくる桑名広域清掃事業組合が今月、新たな処理場を稼働させたため終了が決まった。

 一方で参加市町のうち、伊賀市と県南部の熊野市など一市六町は、今後のごみ処理場の整備に十年程度はかかる見通しで、長期間、ごみ処理の民間委託が続くことになる。

 事業での県の累積赤字は三十億円に達する見通しで、加えて今後は発電所の解体に十億円程度がかかるとみられる。県企業庁電気事業課の幹部は「東京五輪の影響で建設業界の工賃全体が上がっており、もっと高くなる可能性もありそうだ」と打ち明ける。

 鈴木英敬知事は報道各社の取材に「尊い命を失った教訓を風化させない」と、追悼事業を継続する考えを強調。発電所解体終了後には事業の検証をする方針で、「人命が失われた以上、当然厳しい総括になる」と話した。

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◆リサイクル率、伸び悩む県内

 県がRDF発電で実現を目指した循環型社会だが、現実には県のごみのリサイクル率は二〇一一年をピークに減少している。県廃棄物対策局の担当者は「リサイクルにかかる費用が大きく、民間で再生が広がらないことが最大の要因」と分析する。

 県内の家庭から出た一般ごみの総量に対し、各市町が回収した缶やペットボトル、古紙などが実際に再生された割合を示す「再利用率」は、一七年には12・4%となり、RDF発電開始の〇二年度以降で最低となった。

 近年増えているペットボトルなどプラスチック類の再生は、費用がかかる割に再生品の品質が高くないことなどが背景にある。担当者は「住民にせっかく分別して出してもらっても、十分に再生し切れていないのが現実」と認める。

 県は〇五年に「ごみゼロ社会実現プラン」を策定。その中では二五年までに再利用率50%を掲げた。同局幹部は「きちんと数字を積み上げた目標」と話すが、プランは一〇年に一度改訂したまま、現実との隔たりは広がるばかりだ。

 (森耕一)

 

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