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伊勢湾の異変探り豊かな海めざそう 四日市でシンポ

パネル討論で、質問に答える講師役の登壇者ら=四日市市海山道町1の市三浜文化会館で

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 伊勢湾にいる生物の減少や漁業、水質の変化などの現状を知り、未来の豊かな海を考えるシンポジウム「どうなっているの?最近の伊勢湾」が七日、四日市市海山道町一の三浜文化会館であった。自然保護活動家や漁協関係者、大学教授ら講師役の六人が登壇し、それぞれの立場から最近の伊勢湾の状況や「異変」を説明した。

 自然観察会や生き物の調査をしている四日市自然保護推進委員会の木村裕之さんは、「やせゆく伊勢湾 減少する生き物たち」と題して解説。泥質干潟の激減により、有機物や泥を好む生き物が減り、「ゴカイ、カニ、エビ、貝、野鳥、魚が減少している」と訴えかけた。

 漁業者の立場から四日市市漁業協同組合の代表理事組合長の川村誠さんは「コウナゴ漁もストップし、春の仕事がない。春にアサリでもいれば良いのだが、いなくなった。漁師は減るばかり」と窮状を話した。

 アサリの漁獲量は一九八〇年代をピークに右肩下がり。激減の要因について、県水産研究所の鈴鹿水産研究室の辻将治主査研究員は海水中の酸素不足「貧酸素水塊」の大規模化、台風や集中豪雨に伴う淡水化や波浪の影響、クロダイなどの食害生物の影響などを挙げた。資源復活に向けた県の取り組みも紹介した。

 来場者からの質問に答える形式のパネル討論では、アサリ資源減少の理由の一つに「海の栄養不足」を指摘した名城大大学院の鈴木輝明特任教授が「窒素やリンは生き物には不可欠」と言及。下水放流水に栄養塩類の放流濃度を増加させる管理運転の必要性を語り、「対応しないと、このままでは漁業者がいなくなる」と警鐘を鳴らした。

 四日市大の千葉賢教授や三重大大学院の田口和典助教らも登壇し、それぞれの研究内容を分かりやすく伝えた。シンポジウムは四日市公害と環境未来館の主催で、約七十人が真剣な表情で耳を傾けた。

 (梅田歳晴)

 

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