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英語翻訳のこだわり披露 四日市で柴田さんが講演

翻訳について話す柴田さん=四日市市松本のメリーゴーランドで

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 米文学者で翻訳家の柴田元幸さん(64)を招いた講演会が、四日市市松本の子どもの本専門店「メリーゴーランド」であった。柴田さんが英語の短編をその場で翻訳する一幕もあり、集まった七十人のファンは興味深そうに話に聞き入った。

 柴田さんは東京都出身で、東京大名誉教授。多くの現代米文学を翻訳してきた。現在は文芸雑誌「MONKEY」の編集者を務める。作家の村上春樹さんと交流があり、共著も出版している。

 柴田さんは、二〇一七年に翻訳した小説家マーク・トウェインの「ハックルベリー・フィンの冒けん」を解説した。主人公は学校にあまり通っていない少年という設定だったため、主人公の語彙(ごい)を考え「うそのある言葉を紛れ込まさないようにした」と説明。英語のスペルミスが多い主人公が書けそうな漢字を考え妻の発案でタイトルの「冒けん」の「けん」をひらがなにしたエピソードを披露した。

 講演の題は「本とわたしの秘密」だったことから、会場のスライドに英語の短編を投影し、翻訳の時の思考を紹介。例えば、ある短編中の「Your body.Your heart.Your body,your heart,」の部分で、「heart」という英単語は「心」と「心臓」のどちらの意味も含み「翻訳不可能」と判断。その前後にある「body」を「身体」と訳す場合には「heart」を「心臓」とし、「body」を「体」と訳す場合には、「heart」を「心」と訳すと解説。言葉の文字数を合わせ、対になるように考えることを明かした。

 そのほか柴田さんはホームランボールが宇宙へ行く様子を臨場感たっぷりに朗読したほか、来場客からの「翻訳する本はどのように決めるのか」といった質問に答えた。講演を聴いた四日市市滝川町のアルバイト西脇祥貴さん(30)は「朗読の間の取り方やスピードが素晴らしかった」と振り返った。

 (西川拓)

 

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