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<ねえねえちょっと>特別編 職場いじめの相談急増

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 毎週土曜日掲載で、読者の悩みに読者が答える「ねえねえちょっと」。九月二十八日に、三重県の女性(36)の「職場で無視され続けて我慢が限界」という相談を紹介したところ、同様の体験談が多く寄せられた。全国の労働局に寄せられる「職場のいじめ・嫌がらせ」の相談は急増しており、神戸市の小学校でも教員による職場いじめが明るみに。専門家は、被害に遭ったときの証拠を残しておく必要性を指摘する。

 「神戸の教員いじめは人ごとではありません」

 三重県の女性(43)はそうつづった。一年前に派遣社員として会社で働いていた時、正社員たちから「化粧が派手」「うざい」「使えねえババア」などと言われた。上司に相談したが、対応してもらえず、仕事を辞めたという。

 「職員室いじめは、どこにでもあるのでは」と話すのは愛知県の中学校教諭の女性(38)。かつての勤務校で先輩の女性教諭から自分だけお土産をもらえなかったり、机の上にゴミを置かれたりしたという。

 飲み会では男性教諭に「おまえはダメだ」などと大声でののしられた。「本人は『愛のムチ』のつもりかもしれないが、屈辱的だった」。現在の学校では常にボイスレコーダーをスーツのポケットに入れている。「暴言を吐かれたら、証拠のために録音する」

 埼玉県の看護師の女性(46)は三月まで一年ほど勤めた病院でいじめに遭った。職場のウオータークーラーから水筒に水を入れると、同僚に「水代が増えるから、飲むのをやめて」と言われた。相手は十歳ほど年下だが、勤務年数が長く、リーダー的な存在で、女性を無視するように他の同僚にも指示していたという。

 「看護師は患者からクレームを言われることも多い。私をストレスのはけ口にすることで、職場が団結していた」と女性は言う。「人が少なく、仕事の負担が重くてみんなイライラしていた。そうした環境がいじめを生むんだと思う」

◆被害の証拠残して 全国労働局で専門員対応

 厚生労働省によると、全国の労働局などへの職場の「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は年々増えており、二〇一八年度は八万二千七百九十七件(前年度比14・9%増)で過去最高に。年度を通じた記録の残る〇二年度(六千六百二十七件)の十倍以上に上った。

 相談は、労使間や職場をめぐるトラブルを防ぐための「個別労働紛争解決制度」に基づき、〇一年から始まり、全国三百八十カ所(四月一日現在)で専門の相談員が対応。主な内容で、パワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」は一二年度から七年連続で最多だ。

 同制度には、相談のほかに、当事者に労働局長が解決の方向を示す「助言・指導」や、弁護士らが仲介して話し合いで解決する「あっせん」がある。一八年度の「いじめ・嫌がらせ」に関する助言・指導の申し出は二千五百九十九件(同15・6%増)、あっせんの申請は千八百八件(同18・2%増)で、ともに過去最高だ。

 制度はいずれも、無料で利用できる。あっせんの中には、先輩から「いなくなってほしい」などの暴言を日常的に受け、上司にも対応してもらえなかった会社員が申請し、会社側が五十万円を支払うことで解決した事例もあった。

 労働問題に詳しい松丸正弁護士(73)によると、職場での無視や仲間外れも業務との関連性が認められれば、パワハラに当たり、事業者側が責任を問われる可能性も。証拠の有無がポイントで「被害に遭ったら、音声や動画、証言などを集めることが重要」という。

 また、松丸さんは「パワハラの加害者は指導、職場いじめの加害者は遊びのつもりでやっている場合が多い」とも指摘。「誰もが、加害者にならないよう意識することが大事」と話す。

 (細川暁子)

 

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