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簡単筋トレで“貯筋”の秋 転倒や骨折を予防

「かかと落とし」を広めている鎌田実さん(鎌田さん提供)

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 スポーツの秋、高齢者も簡単な筋トレで“貯筋”に挑戦してみては−。諏訪中央病院(長野県茅野市)名誉院長で内科医の鎌田実さん(71)は、手軽に足腰の筋肉を鍛える「スクワット」と、「かかと落とし」運動をシニア層に推奨している。転倒や骨粗しょう症などによる骨折の予防が期待できるという。

 長年、地域医療に携わる鎌田さんによると、高齢者が要介護状態になるきっかけの多くが骨折。筋肉が減り、体を支えられずに転びやすくなる。また、骨密度が下がる骨粗しょう症になると、さらに骨折しやすくなる。特に太ももの骨折が多く、その後寝たきりになる例をたくさん見てきた。

 「高齢者こそ、足腰の筋肉を鍛える“貯筋”が必要」と鎌田さん。ただ、本格的な筋トレや運動はけがのリスクもある。そこで、十年ほど前に手軽なオリジナルのスクワットと、かかと落としを考案した。

 直立した姿勢から膝を曲げ伸ばしするスクワットは、主に太ももや腹筋を鍛える。鎌田さんによると、適度な運動をすると、筋肉から「マイオカイン」という物質が分泌され、血糖値や血圧を下げるなどの効果があるとして近年注目されている。「太ももは体の中で最も筋肉量が多い。鍛えることは健康長寿の鍵」

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 加えて重要なのがふくらはぎの筋肉強化だ。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、筋肉が収縮してポンプのように足の血流を心臓へ戻す働きをしている。ふくらはぎを鍛えると、血流が良くなり、心不全の予防も期待できるという。

 「かかと落とし」は、つま先立ちの姿勢からかかとをドスンと床に落とすだけだが、ふくらはぎの筋肉を鍛えるのに最適という。

 また、かかとを勢いよく落とし、骨に衝撃を与えると、骨を再生する骨芽細胞が刺激されて骨密度が上がり、骨が強くなるという研究結果も報告されている。

 鎌田さんも体力の衰えを感じ始めた三年前から、毎日朝昼晩の三回実践。骨密度は同年齢の標準を大きく上回り、体重は九キロ、ウエストも九センチ減った。

 筋肉は四十代ごろから減り始めるといい、鎌田さんは「日常生活のちょっとした合間を見つけ、こまめに続けてほしい」と話す。

◆挑戦!スクワット&かかと落とし

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 スクワットと、かかと落としの方法は次の通り。いずれも、一セット十回で、一日三回(朝昼晩)行う。

 【スクワット】体を傷めないよう、まずは準備体操=イラスト(上)。(1)いすに座った状態から立ち上がり、足を少し広げ、胸の前で手を組む(2)腹筋に力を入れながら、ゆっくりといすに座る。

 準備体操を一カ月試し、続けられそうなら、「反動スクワット」=イラスト(下)=へ。(1)両足を肩幅に広げ、両手を頭の上に(2)太ももが床と平行になるまでゆっくりと膝を曲げながら、両手を下ろしていく(3)手を下げた姿勢のまま五秒間キープ(4)息を吐き、ゆっくりと手を上げながら立ち上がり、元の体勢に戻る。

 【かかと落とし】両足を肩幅に広げ、つま先立ちの姿勢から、かかとを床に落とす。背筋はピンと伸ばす。初心者は転倒しないように、必ずいすの背やテーブル、台所のシンクなどをつかみながら行う。

 (細川暁子)

 

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