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<どうなる?消費税増税> やりくりのポイントは?

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 十月一日からの消費税増税で、わが家の家計はどれほどの影響を受けるのか。増税に伴い、食品などに適用される軽減税率やキャッシュレス決済によるポイント還元のほか、そもそも課税されないものもあり、どれだけ理解しているかによっても変わってくる。複雑な制度をあらためて押さえ、やりくりのポイントを考えた。

 そもそも、何が増税されるのか。

 消費税は消費一般に広く課税する。日用品や衣類など、ほとんど全ての一般的な商品やサービスが課税対象となり、税率が10%に引き上げられるため、消費者にとって値上げとなる。

 店舗での買い物だけでなく、電車やバス、新幹線、航空機などの運賃のほか、高速道路料金、水道光熱費、金融機関の各種手数料なども値上げされる。郵便料金も対象で、手紙(二十五グラム以内の定形郵便物)が八十二円から八十四円、通常はがきが六十二円から六十三円になる。

増税後のレシートのサンプル。軽減税率対象商品には「軽」の印があり、キャッシュレス決済によるポイント還元額なども記載されている(ローソン提供)

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 一方、「課税になじまない」「社会政策的な配慮」といった理由で、消費税がかからないものもある=表参照。例えば、生命保険などの保険料や賃貸住宅の家賃、学校の学費、役所での証明書発行手数料、土地の譲渡、公的保険の医療費や介護保険のサービス利用料などだ。

 ただ、非課税でも、仕入れなど課税対象の経費が膨らみ、結果的に値上げされるケースもある。単純な“便乗値上げ”も考えられ、気を付けたい。

 生活費の中で大きな割合を占める食費。食品は今回、新たに導入される軽減税率が適用され、税率が8%に据え置かれるが、例外があり、注意が必要だ。

 例えばお酒。ビールや日本酒など、酒税法が規定するアルコール分が一度以上の「酒類」に該当するものは軽減税率の対象外。みりんなどアルコールを含む調味料も10%になることがある。栄養ドリンクも医薬品に該当するものは食品扱いにならず、10%になる。

 また、飲食店などでの外食は10%。ただ、持ち帰りや出前にすれば、8%になる。持ち帰りと店内飲食の本体価格に差をつけ、税込み価格をそろえる外食チェーンもある。

セブン−イレブンの値札のサンプル。税抜き価格と税込み価格を併記し、軽減税率対象商品には「*」印がある

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 うまく使いこなしたいのが、国の「キャッシュレス・消費者還元事業」。クレジットカードや電子マネーなどの「キャッシュレス決済」で買い物をすれば、最大5%のポイントが還元されるため、事実上の“減税”になるケースもある。

 来年六月末までの九カ月間だけで、登録された中小事業者の店舗や、決済手段での買い物に限られる。利用できる店舗や決済方法は、店頭のポスターやインターネットで確認できる。

◆日用品はセールで購入

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 増税前に駆け込み購入はした方がいいの? 軽減税率やキャッシュレス決済のポイント還元といった軽減策を生かす注意点は? 家計相談に応じている東京都のファイナンシャルプランナー、柏木真一さん(61)=写真=に聞いた。

 −増税で、家計にどのぐらいの影響が出ますか。

 影響を受けるのは、家計費の三分の二ぐらいとされています。毎月の支出が三十万円の家庭なら、二十万円分で2%の増税になり、毎月四千円ほどの負担増。前回の増税時は駆け込み需要と反動減が起きました。

 −増税前に買っておくべきものは。

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 食料品は軽減税率の対象で税率は8%のままなので、買いだめする意味はありません。トイレットペーパーや洗剤などの日用品を買おうと考える人も多いのですが、ドラッグストアなどで頻繁にセールされており、税率の違いよりも、安いときに買う方が大事。

 本当に必要なものなら、セールなどがあまりなくて価格変動が少ないものや長期保存が可能なものなどは買ってもいいでしょう。例えば、軽減税率の対象外の酒類や医薬品、化粧品、ペットフードなど。ただ、節約効果は知れています。

 電車賃やコンサートチケットなどは使うのが十月以降でも、九月中に買えば8%なので、予定が決まっているなら早めに。定期券も九月中なら増税前の価格で購入できます。買い替えたい家電製品で、秋にモデルチェンジするようなものなら、価格の下がった旧モデルを8%の税率で買うことでかなり節約になります。

 −キャッシュレス決済のポイント還元の注意点は。

キャッシュレス・消費者還元事業の対象店を示すポスターのサンプル

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 買いだめをしなくても、増税後にキャッシュレスで買えば、最大5%戻ってきます。普段行く店が還元対象か、どんな決済手段に対応しているかをポスターなどで確認しましょう。

 初めてクレジットカードなどを作る人は、現金がなくても買えるため、無駄遣いに気を付けてください。事前に金額をチャージして使う方式なら比較的安心です。クレジットカードは「リボ(分割)払い」に注意。カード会社から勧められたり、当初から設定されていることがありますが、余計な利息を支払うことになります。

 キャッシュレス決済を使うと、どれだけ使ったのかの把握や管理が難しくなります。日用品用の口座をつくり、クレジットカードの決済口座をまとめて残高を見やすくするなどの工夫をしましょう。

 −増税に向けた家庭へのアドバイスを。

 消費税増税は、将来を見据えて家計管理を見直す良い機会。無駄をなくし、本当に必要なものだけを買うようにしましょう。節約するにしても楽しむことが大切。我慢するだけでは、長続きしません。旅行でも家族のイベントでも、どうすればもっと安く楽しめるか、家族で知恵を出し合うと面白いと思います。

◆楽天サイトで増税シミュレーション

 インターネット通販大手の楽天は、運営する楽天市場内のページ「かしこく・らくらく消費税増税対策」で、毎月の支出額などを入力するだけで増税による家計への影響度を診断できる「消費税増税シミュレーション」を公開している。

 家族構成を選択した後、酒類や外食を含めた食費のほか、日用品費や交際費、光熱費などの項目ごとに支出額を入力すると、毎月と年間の増額分が計算される。

 金額だけでなく総務省の家計調査から計算した平均的な毎月の支出額を基に、「食費」「変動費」「固定費」についてのアドバイスも見ることができる。例えば、食費では、「お酒や外食は軽減税率の対象外のため、週末にご飯だけ炊いて一回ずつ冷凍保存し、おかずは買ってきて食べるなどの『プチ自炊』や『中食』への切り替えがおすすめ」といったように増税関連の具体的な助言もある。

 (河郷丈史)

 

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