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<食卓ものがたり> イチョウの木のまな板(岐阜県北方町)

検品作業に取り組む福井賢治さん=岐阜県北方町で

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 トントントン。包丁の刃が当たるたび、心地よい音が耳に響く。そろそろご飯かな。何となくわくわくする。今は、樹脂製が主流のまな板。でも、昔懐かしい木のまな板が、若い人も巻き込んで人気を取り戻しつつあるという。

 岐阜県北方(きたがた)町の「woodpecker(ウッドペッカー)」は、イチョウの木でまな板を作る全国でも数少ない木工業者。二〇〇七年に開業し、年間二千枚弱を出荷する。角のない丸みを帯びたデザインが中心で、チーズやパンを載せてそのまま食卓に出してもおしゃれ。インスタ映えもばっちりだ。

 木製のまな板は、削り直せば長く使い続けられるのが強み。工房では削り直しも受け付けていて、全国の購入者が寄せたまな板が所狭しと並ぶ。「まだまだ使いたいという思いで持ち込まれる。削り直しは作り手にとって最高の瞬間」。黙々と作業する経営者の福井賢治さん(46)は喜ぶ。

 イチョウのまな板は昔から、板前やプロの料理人の間で重宝される。木材の中でも屈指の軟らかさを誇り、包丁の刃を傷つけにくいことが理由の一つ。油分が多く、水はけや抗菌性が良いのも特徴だ。使う前に軽く水に通せば表面に水の膜ができ、肉や魚の血も簡単には染みない。

 一方、イチョウは軟らかい分、家や大きな家具の材料には向かず、流通量は少ない。福井さんが商品を安定供給できるのは、岐阜市で九十年続いた神仏具店の三代目で、地元の材木店との結びつきが強いからだ。林業や材木業が盛んな岐阜だから作れる商品ともいえる。

 「昔はまな板イコール木製で、地元で大工さんに削り直してもらうのが当たり前だった」と福井さん。「エコの大切さが叫ばれる時代だからこそ、そんな習慣を残したい」

 文・写真 植木創太

◆買う

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 woodpeckerは全国のクラフト市や百貨店などでの出張販売のほか、インターネットで通販も行っている。イチョウの木のまな板=写真=は全17種を展開。値段は大きさや形状によって違い、2700〜1万2960円(いずれも税込み)。

 月1回ほど熱湯で消毒するといい。サイズによっては食器洗い乾燥機に入れられるが、急激な乾燥は木を傷める可能性があるため、陰干しがおすすめ。削り直しは10日ほどかかり、300円から。(問)福井さん=電058(372)3030(平日)

 

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