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親の介護、ケアマネなどプロに相談を

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 親の介護の分担は、きょうだい間でトラブルのもとになりがち。介護に関わろうとしないきょうだいがいると「なぜ自分だけが」とイライラしてしまうが、そんな気持ちを抱えて介護するのもつらい。そんなとき、経験者は「きょうだいよりもケアマネジャーら介護のプロを頼って」とアドバイスする。

 「兄はまったく手伝わないので、母の介護は父と自分たち夫婦が担ってきた。兄とは絶縁状態。もう、いないものだと思っている」。名古屋市内の自営業男性(49)はため息をつく。男性の母(81)は二〇〇七年に認知症を発症し、男性が実家に同居して介護してきた。

 男性は二人兄弟。母が認知症と分かったころ、兄(52)から「財産は放棄するから、お母さんの面倒を見てくれ」と言われた。その兄は、妻と二人の子どもと、実家から車で十分ほどのところに住んでいる。なのに、何の説明もないまま実家に寄り付かなくなり、当時独身だった男性と父親が母を介護することになった。

 週六日デイサービスを利用し、一二年に結婚した妻も介護を担ってくれた。しかし、一六年ごろから食事の介助が必要になり、母が粗相することも出てきた。疲労とストレスは以前より増した。昨年八月、自宅介護に限界を感じ、介護施設に母を入所させた。「最初は、気が狂いそうなくらい兄に怒りが湧いたが、今はもう何も期待していない。介護のプロの施設職員たちに任せたら、気持ちが楽になった」と男性は話す。

      ◇ 

 「自分が介護をしていると、きょうだいにも同じレベルでかかわるよう求めたくなる。でも、いきなり『オムツ替えて』と言うのではなく『オムツ買ってきて』などと、ハードルを低くして頼むといい」。理学療法士で「介護者メンタルケア協会」(東京)代表の橋中今日子さんは話す。橋中さんも、祖母や母を自宅で介護した経験がある。橋中さんも、当初は介護に関わろうとしない姉に、「私はこんなにやっているのに」と怒りを募らせた。

 しかし、ショートステイを利用して介護職員の力を借りるようになると、気持ちが落ち着き、姉への怒りも和らいだ。簡単なことから頼むと、姉も手伝ってくれるようになり、徐々に食材を買ってきて母の食事を用意したりしてくれるようになったという。

 介護費用をめぐって、きょうだいの仲が悪くなることもある。橋中さんは「介護にかかる費用は、年金や貯蓄など親のお金を使うのが基本。交通費も含め、それぞれが金額と日付をノートに記録して領収書も取っておくとトラブルを防げる」とアドバイスする。

 名古屋市内の会社員男性(62)は、週に三日、母(83)と弟夫婦が暮らす二世帯住宅を訪ねる。母は、一七年八月に足を骨折してから介護が必要になった。男性は三人兄弟の長男で、次男は海外出張が多い。母と同居している弟は三男で、夫婦共働きだ。男性は、弟夫婦の負担を減らすため、母と自分の夕飯を買って一緒に食べ、母の洗濯物を持ち帰って洗濯する。「弟夫婦に負担が偏らないように気を付けている。それぞれが、できる範囲内で関わることが大事では」と言う。

 母の介護が必要になったころ、兄弟三人だけのLINE(ライン)グループを作成。毎日のようにやりとりし、家のバリアフリー改修費の分担や、デイサービスの利用日を増やすかどうかなどについて、腹を割って話し合ってきた。「まずはしっかり合意形成し、それぞれが妻に理解や協力を求めてやっている。初めにきょうだいで遠慮せず、十二分に思ったことを言い合っておくことが大切」と男性は話す。

 (細川暁子)

 

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