トップ > 中日懇話会 > 懇話会一覧 > 記事

ここから本文

中日懇話会

第539回 英語入試 「話す」測れぬ 立教大・鳥飼玖美子名誉教授

写真

 第539回中日懇話会(中日新聞社主宰)が12日、名古屋市中区のホテルで催され、立教大の鳥飼玖美子名誉教授(異文化コミュニケーション論)が「日本の英語教育を考える」と題して講演した。新年度から始まる大学入学共通テストへの導入が見送られた英語民間試験について「本来の英語教育にならない」と指摘。小学校英語の教科化は「小学校英語を専門にする教員免許を創設すべきだ」と提言した。

 【英語民間試験】

 民間試験導入は、英語の4技能のうち「読む、聞く」の2技能しか測っていないというのが理由。民間試験団体に丸投げされたが、教育成果を測定するためのものではなく、学習指導要領にも準拠していない。

 受験料は安くても6000〜7000円で、経済格差や地方格差が問題だ。(萩生田光一文部科学相の「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」という)「身の丈」発言は本質を突いて分かりやすく、世論が厳しくなった。出題ミス、採点ミスへの危機管理体制は全く整備されていない。

 4技能を大学入試で測る必要があるのか。話すことを測るのは極めて難しい。採点基準も採点者も明らかでないのは、受験生が気の毒だ。

 【小学校英語の教科化】

 小学生は600〜700語の(習得)語彙(ごい)を目指す。高校生までで3000語から5000語に増える。現場からは「落ちこぼれている生徒がいるのに、こんなに習得語彙を増やして大丈夫なのか」との声がある。発音の苦手な先生が、発音を指導するのは難しい。

 【異文化コミュニケーション】

 私たちは英語圏で生まれ育ったわけではなく、英語は母語ではない。ネーティブスピーカーにはなれない。必要な目的に使えるようになるためエネルギーを注げばいい。

 外国語は異文化への窓。自分と違った文化を知り、人生を豊かにする。言葉は生涯学習であり、小学校であまり焦って教えなくてもいい。ものを考える力、読んで批判的に吟味して判断する力が重要。そういう観点で英語教育を考えたい。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索