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中日懇話会

第538回 省インフラで街再整備 東洋大・根本祐二教授

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 第538回中日懇話会(中日新聞社主宰)が31日、名古屋市内のホテルであり、東洋大の根本祐二教授(65)が「進む老朽化 迫られる『省インフラ』」と題して講演した。高度経済成長期に建設されたインフラが2020〜30年代に改修や更新の時期を迎え、現状を維持するには費用の面から難しいとし「機能を保ちながら費用を抑える『省インフラ』の考えが大切になる」と述べた。

 講演の要旨は次の通り。

 【急激な老朽化】

 国内の公共事業を振り返ると、1970年を頂点に投資額が減るピラミッド型の構造となっている。橋や道路は50〜60年で寿命を迎え、現状を維持するには2020〜30年代に再び多額の投資をする必要があるが、費用は年間9兆円と膨大となる。

 これまでに減った公共事業費は社会保障費にあてられ、さらに税収低迷や人口減の問題もある。人命に直結するインフラの問題を放置することはできないが、国債や消費税増税に頼ることも難しい。民間の力を借りながら、公共サービスの機能を確保し、費用を最大限削減する技術やサービスが求められる。

 【先進事例と展望】

 建築物と、道路や橋のような土木分野とでは処方せんが異なる。建築物は機能を維持しながら最大限に量を減らし、土木は量を維持し費用を下げる必要がある。

 具体例を挙げると、建築物では、山口県下関市の中学校では音楽室などの特別活動室を地域の施設としても利用し、費用を抑えた。防犯の面から生徒と一般利用者が交わらないように動線を変えるなどの工夫もしている。

 土木では、医療分野で使われる「トリアージ」の手法を富山市が橋の管理に取り入れた。利用頻度や点検の方法などから優先度を判断し、維持管理の選択と集中に生かしている。

 20世紀は世界的に経済成長の時代で、日本に遅れて発展した中国なども同じ問題に直面する。日本が省インフラに成功すると、そのシステムを海外に輸出するチャンスが生まれる。行政、政治家だけでなく、民間も協力し取り組んでいただきたい。

 

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