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中日懇話会

第537回 家計防衛 現金増やして 荻原博子さん講演

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 第537回中日懇話会(中日新聞社主宰)が4日、名古屋市中区のホテルであり、経済ジャーナリストの荻原博子さん(65)が「日本経済と市民生活」と題して講演した。安倍晋三政権の経済政策・アベノミクスはデフレ脱却に失敗したとの見方を示し、家計の防衛策として、借金を減らして現金を増やすよう説いた。

 講演の要旨は次の通り。

 【アベノミクスは失敗】

 消費税増税もあり、景気はかなりこの先厳しくなっていくとみている。アベノミクスの一丁目一番地はデフレ脱却のはずだが、今に至るまで脱却していない。普通に考えれば失敗だ。

 原因は、成長戦略がなかったこと。かつて外国に売り込もうとした原子力発電所も新幹線も、目立った成果がない。今の目玉はカジノ誘致だが、成功しているのは海外でもシンガポールと米国のラスベガスくらいだ。東京、大阪に造って、世界中の金持ちが来るのか。プライベートジェットがやってこれる空港からの便が良いとは言えず、難しいと思う。北海道の撤退はもっともだ。

 【五輪後が心配】

 2020年の東京五輪が終わった後の経済が心配だ。一大公共投資で造った施設の使い道は一夜にして消えてしまう。要らない施設が山のように残り、終わった途端に大きな雇用も失われる。選手村の跡地でマンションが大量に供給されることなどを見込み、東京では既に不動産市場が頭打ちになってきた。業者は五輪前にマンションを売り切ろうとしている。

 近年の五輪をみると、ギリシャは、多額の投資をして04年アテネ大会を開いたがゆえに経済が破綻した。閉幕後に景気がスローダウンしなかった国は、1996年アトランタ大会の米国しかない。米国では前年、世界史を変える出来事と言ってよいマイクロソフトの「ウィンドウズ95」誕生があった。その後20年の間に「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業が成長し、インターネット社会が到来した。技術革命の勢いが経済を支えたが、今の日本にそういうものは見当たらない。

 【デフレは続くよ】

 消費税を上げてしまい、社会保険料も増えている。実質的に給料が減っている今、五輪が終わっても大丈夫な家計をつくっておくべきだ。金利が低く、預金をしても無駄だと思っている方が多いが、私は政府や金融機関が勧める長期投資に懐疑的だ。20年、30年先のこの国の姿など予想できない。

 現状は「デフレは続くよどこまでも」の状態だ。家計が今やるべきなのはデフレ対策。いつも同じことを言うので「キャッシー荻原」などと呼ばれるようになった。繰り返し訴える。日銀がデフレ脱却を宣言するまでは「借金減らして現金増やせ」。バブル崩壊以来、それをずっとやってきたトヨタ自動車の財務内容はピカピカではないか。

 

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