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中日懇話会

第536回 「外国人は人材の宝庫」 日系3世のイシ武蔵大教授

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 第536回中日懇話会(中日新聞社主宰)が11日、名古屋市西区のホテルであり、日系ブラジル人三世のアンジェロ・イシ武蔵大教授(52)が「“外国人”との共生社会を実現しよう!」と題して講演した。今後、日本政府が拡大する方針の外国人受け入れについて「『悩みの種』ではなく『人材の宝庫』と捉える発想の転換が必要だ」と述べた。

 講演の要旨は次の通り。

 【入管難民法改正】

 今年4月に改正入管難民法が施行され、「特定技能」という新しい在留資格が設けられたが、日系ブラジル人にとって法改正といえば1990年が元祖。外国人の就労を認めないという方針を大きく転換し、歴史的に日本とつながりがある日系人の定住が許可された。

 短期の出稼ぎがブームになると誰もが予想したが、違った。同じ年に出稼ぎ労働者の研究でブラジルから日本へ留学した私の見通しも甘く、インタビューしていた日系人の誰一人としてすぐには帰国しなかった。彼らを追い続けた私も日本に居続けることになったが、日本社会の一員としてよりよい社会をつくっていく仲間と認めてほしいという思いは、多くの在日ブラジル人が持っているはずだ。

 一方で、日本の一般市民の間では、外国人に関する基本的な理解が広がっていない。日系ブラジル人の男性が東日本大震災の被災地で支援活動を行ったところ、日本に長く住んでいるにもかかわらず「海外からの温かい支援に心から感謝します」とお礼のメッセージがあった。

 日本は、既にそこにいる外国人のニーズに向き合ってこなかった。来年開かれる東京五輪に向けて、訪日外国人に対する「おもてなし」を慌てて考えているが、早くから移民政策に取り組んでいればもっと楽だったのではないか。

 【新制度】

 改正入管難民法施行をめぐる議論で、昨年からメディアによる報道が増えたことはプラスに捉えている。情報量が増えることによって、理解が深まることに期待している。

 ただ、新制度では当面、外国人労働者に家族の帯同が認められない。今すぐにでも考え直してほしい。人道的な観点だけでなく、安定して労働に打ち込めるなどのメリットがたくさんある。外国人が増えれば古き良き日本の伝統が壊れてしまう、という漠然とした不安があるのかもしれないが、足し算、掛け算の論理で考えた方がいい。

 

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