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中日懇話会

第532回 米軍の強大な権限は問題 法大・明田川教授講演

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 第532回中日懇話会(中日新聞社主宰)が10日、名古屋市西区のホテルで催され、法政大の明田川融(あけたがわ・とおる)教授(56)=日本政治史=が「日米地位協定と日本の主権」と題して講演した=写真。欧州諸国と比べ、駐留する米軍に強大な権限を認めている日米地位協定を「日本の主権という観点から問題がある」と指摘。基地負担が集中する沖縄県が、米軍への国内法の適用を求めている現状を説明し、「本土でも当事者意識を持って、駐留のあり方について考えてほしい」と呼び掛けた。

 【協定の問題点】

 日米地位協定は、米軍が日本のどこにでも基地を置くことができる「全土基地方式」を採っており、主権の面で問題がある。背景には、冷戦下での米国の軍事戦略があった。協定の前身である日米行政協定の交渉時、中国建国や中ソ同盟、朝鮮戦争が相次いだ。本土にも基地を欲する米国に日本側が押し切られたためだ。その後の日米政府による合同委員会での協議でも、米軍側に押し切られ続け、協議に実効性はないとみられている。

 この他に環境汚染の調査や米兵の犯罪捜査で、日本側の自治体や官憲は基地への立ち入りが制限され、事実上の治外法権になっている。軍用機には特例法で国内法が適用されず、騒音や低空飛行が問題になっている。

 【他国との違い】

 ドイツやイタリアの当局は、必要があれば米軍基地に立ち入り調査を行い、犯罪被疑者の捜査ができる。沖縄県による調査では、ドイツやイタリアなどは駐留する米軍機の飛行に自国の航空法を適用し、訓練や演習の際には当局の承認を義務付けている。

 日本は「思いやり予算」や基地の提供に加え、集団的自衛権の行使容認など「ヒト、モノ、カネ」の面で多大な負担を負っている。国内法の適用を求めるべきではないか。

 【沖縄の負担】

 「なぜ沖縄にだけ基地が集中するのか」との批判が高まり、本土での基地引き取りを訴える運動も起こり始めている。オスプレイが本土でも配備され、地位協定への関心が高まっている。沖縄県は地位協定の抜本改定を訴えているが、実現の見通しは立っていない。沖縄県は問題への理解の共有をしてほしいと本土に望んでいる。駐留のあり方について疑問を持った人は周囲とぜひ話し合ってもらいたい。

 

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