トップ > 中日懇話会 > 懇話会一覧 > 記事

ここから本文

中日懇話会

第530回 米第一主義、変わらない 慶大・渡辺教授講演

写真

 第五百三十回中日懇話会(中日新聞社主宰)が二十四日、名古屋市内のホテルであり、慶応大の渡辺靖教授(52)=写真=が「アメリカ第一主義の行方」と題して講演した。トランプ大統領の攻撃的な言動や外交姿勢は、来年の大統領選を見据えたアピールのためだと指摘。支持層が抱える政治への不満などに触れ、「アメリカ第一主義は、仮にトランプ大統領が選挙で負けたとしても、頑強な政治的土壌として続いていくだろう」と述べた。

 講演の要旨は次の通り。

 【支持層へのアピール】

 大統領の発言の真偽をチェックしているワシントン・ポスト紙によれば、虚偽の発言が一日十回あった。死者を侮辱する発言もいとわない。なぜこういったことが行われているのか。来年の大統領選が影響しており、「岩盤支持層」と呼ばれる支援者へのアピールのためと考えられる。

 トランプ氏の支持層は、大きく白人労働者とキリスト教保守派。このうち白人労働者の人たちは、これまでのアメリカに強烈なフラストレーションを持っている。民主党だけでなく共和党も大企業を重んじ、メディアも結託してグローバル化を進めたことで被害を受けたとの意識が強い。メディアを攻撃するトランプ氏の姿勢は、ある意味で痛快に映る。

 【外交姿勢】

 キリスト教保守派も、トランプ氏にとっては絶対に失いたくない層だ。イスラエルの米国大使館をエルサレムへ移転したのも、聖地をイスラム諸国から守ろうとしていると捉えられる。イランに対する強硬姿勢も、頼もしく映っているはずだ。

 貿易摩擦を招いている中国への圧力に関しては、支持層だけでなく、民主党からも評価されている。中国が自分たちを脅かす存在になりつつあることに対する警戒感は、米国全体で高まっており、「弱腰」と思われるマイナスの方が大きいとみているのではないか。

 【日本の取るべき対応】

 「アメリカ第一主義」は、仮に次期選挙でトランプ氏が負けても、頑強な政治的土壌として続き、民主党が政権を奪取しても急激な軌道修正はしにくい。

 一方でイランへの圧力は一触即発の状況を招いており、ペルシャ湾で有事があれば日本に大きな影響がある。対中国の貿易摩擦もそう。日本としてはトランプ政権のシナリオを確認しておく必要がある。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索