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中日懇話会

第526回 外国人労働者は「仲間」 国際交流センター毛受氏

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 第526回中日懇話会(中日新聞社主宰)が22日、名古屋市内のホテルであり、日本国際交流センターの毛受(めんじゅ)敏浩執行理事(64)が「外国人受け入れ新政策−日本の未来への展望」と題して講演した=写真。今年4月に施行される改正入管難民法による外国人労働者の受け入れ拡大を「歴史的な転換」と位置付けた上で、外国人を単なる労働力としてではなく「仲間」として迎える重要性を強調した。

 講演の要旨は以下の通り。

 【移民政策の必要性】

 政府は今回の改正で、5年間で34万5000人の受け入れを見込むが、人口の減少幅は埋められない。かといって出生率を人為的に上げることは困難で、外国人を受け入れずにやっていくビジョンは描きにくい。

 日本ではこれまで「移民政策」がタブー視されてきた。「犯罪が増える」といった誤ったイメージや、人口減少に対する認識不足が原因。そうした意味で、単純労働分野でも正面から外国人を受け入れる今回の改正は、歴史的な転換で、「移民元年」ともいえる。

 【改正のポイント】

 今回の受け入れ拡大のポイントのひとつに、滞在中の試験合格者には家族の帯同を認める、というものがある。この「特定技能2号」の在留資格への道筋を明確化し、職業の技能や日本語能力を高めてもらい、定住を促していくのが理想的だ。

 そのためにも生活支援が不可欠。例えばドイツでは移民に対し、ドイツ語や法律、社会などの研修を義務付けており、罰則も設けている。日本政府は罰則まではいかないまでも、「生活者として総合的な対応策をとる」として、予算措置もしている。これまでを思えば相当思い切ったことだ。

 【30年の政策不在】

 ただ、ドイツでも移民の統合策が本格化したのは2004年。それまでの30年間は、トルコ系移民への教育などが不十分で、それが現在の治安悪化などを招いているとみられている。

 日本ではこれまでの30年、技能実習や留学など就労とは別の名目で外国人を受け入れてきたが、その生活支援は自治体やNPO法人に丸投げ状態だった。この空白についての検証は不可欠で、潜在的に大きな問題があることは認識しなければならない。

 一般の意識改革も必要。彼らは一時的な労働者でなく、日本をともに担う仲間だと理解してもらうために、国のトップがきちんとメッセージを発するべきだ。

 

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