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中日懇話会

第525回 日本経済 来年にも減速 元日銀理事 早川氏

講演する富士通総研エグゼクティブ・フェローの早川英男さん

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 第525回中日懇話会(中日新聞社主宰)が21日、名古屋市内のホテルであり、元日銀理事で富士通総研エグゼクティブ・フェローの早川英男さん(64)が「2019年の経済展望−近づく内外景気の転換点」と題して講演した。「18年度中は減速しつつも緩やかな拡大を維持するが、19年度以降の成長は減速するだろう」と述べ、日本経済は19年から20年にかけて景気の後退局面に入る可能性が高いと指摘した。

 講演の要旨は次の通り。

 【アベノミクスの成果と誤算】

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」の6年弱で、金融市場は大幅な円安・株高が実現し、デフレから脱却したが経済成長率は向上していない。本格的な人手不足時代にもかかわらず、正社員の賃金がほとんど上がっていないのも特徴だ。アベノミクスの経済成長では、労働生産性の低迷を高齢者やパートら短時間労働者を増やして補っている。

 【日本経済の現状】

 アベノミクス初期は猛烈な円安だったが、世界経済の低成長などで輸出が伸び悩んだ。16年後半からは輸出が増え、景気拡大をリードした。今回の景気拡大局面は2つの山がある。第一の山はアベノミクスの1年目で、政府の財政出動に加えてデフレ脱却への期待感から、個人消費も好調だった。16年後半から17年にかけてが外需主導による景気拡大の第2の山で、ピークは17年末だった。足元の景気は企業による設備投資が主導している。個人消費の伸び悩みは賃上げが少なく、円安による物価上昇で実質賃金も伸びていないためだ。

 【内外景気の転換点】

 景気は成熟局面にあるが、消費税増税前の駆け込み需要と、東京五輪関連の建設投資が今後の景気を支えるだろう。駆け込み需要の反動減と、キャッシュレス決済時のポイント還元終了後の反動減は不況を深刻化させる恐れがある。景気後退のリスクは金融業界と、国の財政面で大きい。景気が後退して倒産が増えれば、金融機関が融資先の倒産に備えて積んでおく「貸倒引当金」が増え、地銀は簡単に赤字になる。国の税収も大幅に落ち込む。企業は内部留保を積み上げており、経営基盤は強固だ。多少の不況でも大型倒産はほとんど出ないだろう。景気後退の期間は通常で1、2年。その間に働き方改革や生産性革命といった中長期的な課題に取り組むべきだ。

 

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