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中日懇話会

第524回 北の拉致 対話で解決を 慶大・礒崎准教授講演

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 第524回中日懇話会(中日新聞社主宰)が7日、名古屋市内のホテルであり、慶応大の礒崎敦仁准教授(43)=写真=が「激動の北朝鮮情勢を読み解く」と題して講演した。北朝鮮による日本人拉致問題に関し、経済制裁を10年以上続けているにもかかわらず被害者の帰国が実現していないことを指摘。「理不尽な思いをしてでも結果を出すために交渉すべきだ」と、米韓両国に続いて対話により前進を図る必要性を訴えた。

 講演の要旨は次の通り。

 【北朝鮮の思惑】

 昨年4月、北朝鮮と米国の戦争が起きるという報道があったが、騒ぎになっていたのは日本だけ。北は同月の最高人民会議(国会)で、19年ぶりに外交委員会を復活させた。核・ミサイル開発が進んだら次は外交を動かすという、金正恩・朝鮮労働党委員長の意志だった。

 核・ミサイル開発は米国の攻撃を防ぐ目的だ。時間と労力をかけて抑止力は得られた一方、今後30年、40年と米国ににらまれて経済制裁を受け続けるのが本当にいいのかどうか、決断を迫られている。正恩氏は核技術を放棄してもいいと決断した可能性がある。

 【米朝関係の展望】

 トランプ米大統領は、ただ非核化と米国に届く核ミサイルの排除を主張しているだけで、体制の維持を最大の目標としている北朝鮮にとっては都合のいい大統領だと言える。核を手放しても、国交が正常化し米国大使館に米国人が常駐することが、安全保障になり得る。

 また、トランプ氏は北を攻撃する可能性を公言したが、結局できなかった。韓国や日本に対する報復を懸念したからだが、これで北はその能力さえあれば抑止力として働くと気付いた。

 (野党民主党が下院で過半数を奪還した)米国の中間選挙の結果、トランプ氏の政策遂行に歯止めがかかる状況になったが、遅くとも年明けには2回目の米朝首脳会談を行い具体的な合意に進むべきだという意識はあるようだ。

 【日本の対応】

 日本が訴える経済制裁は、現実には各国が歩調を合わせるのは難しく絶対的効果は期待できない。前のめりに映る韓国・文在寅政権も、理想とする南北統一ではなく平和共存に向かおうとしているのが実態だ。

 米国が対話に踏み切り、ロシアも北と首脳会談を行う見通しがあるように外交がどんどん動く中、日本も拉致被害者を救出するための手段はもっと柔軟であっていい。圧力が効かない以上、結果を出すためには交渉しかない。

 

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