JAバンクあいち ドームドッジ2019
2019年11月24日
ナゴヤドーム
中日懇話会第511回 米朝に自制呼びかけて 辺真一さん講演
第511回中日懇話会(中日新聞社主宰)が3日、名古屋市内のホテルで開かれ、朝鮮半島問題の専門誌「コリア・レポート」編集長の辺真一(ピョンジンイル)さん(70)が「北朝鮮の核・ミサイル問題の行方と日韓関係」をテーマに講演した。「日本は2004年の小泉純一郎元首相の訪朝以来、北朝鮮と首脳会談ができていない。政府は金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長、トランプ米大統領に自制を呼びかける外交努力が必要だ」と指摘した。 講演の要旨は次の通り。 【さらなる挑発も】 10月8日は故金正日(キム・ジョンイル)氏の総書記就任20周年で、10日は労働党創建記念日。10月上旬は北朝鮮がさらなる挑発行為に出る可能性がある。「米国と戦争したら、北朝鮮は一巻の終わり」との楽観論もあるが私はそう思わない。 北朝鮮は何度も米国の威嚇を受けながら、これまで6回核実験を行った。一方、米国も今春から何度も北朝鮮周辺に米空軍のB1戦略爆撃機を飛来させている。米国、北朝鮮はチキンレースの真っ最中。北朝鮮はグアムの四方に向け、ミサイルを4発発射させる可能性が高い。 【北の核実験】 北朝鮮が核実験をあきらめることはあり得ない。目標はワシントンに届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成だろう。米国は核開発の放棄、北朝鮮は核保有国として認められることがテーブルに着く前提だ。双方とも対話ができないことは分かっている。 米国は北朝鮮との対話の道を模索するポーズを取っているだけ。北朝鮮が対話に応じないという形に持ち込み、次の軍事行動の布石にしたいのだろう。 【米国の事前相談】 1994年、当時のクリントン米大統領は北朝鮮の核開発の懸念を理由に、北朝鮮を攻撃しようとした。在韓の米軍の家族や大使館職員には極秘で避難指示がされたが、同盟国の韓国には伝えられなかった。北朝鮮攻撃には先制攻撃が必勝法。作戦成功率を下げてまで米国の安全を担保できない韓国に伝えるメリットはないと考えられた。安倍晋三首相は「米からは事前相談がある」と言っているが、過去のケースを見ると、その可能性は低い。 【日本の役割】 日本と北朝鮮は本来、戦争をする理由がない。いつの間にか米国に向かうミサイルを日本が撃ち落とすことになっている。日本が攻撃されるとしたら、理由は米国の片棒を担いだことだ。 「米国と北朝鮮のケンカを止める」。これが唯一、米国と心中せず、国民を守る手段だ。首脳会談もなく、金正恩が何を考えているかもわからない今は、明らかに外交努力が不足している。 PR情報
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