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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第5部 子ども】可能性の灯 輝かせるのが教育

フリースクール「IRORI」の運営法人代表

佐々木健治さん

 僕自身、親は離婚して姉は不登校という家庭で育ち、不登校の苦しさをそばで見ていた。自分も学校では荒れた時代があった。でも恩師と出会って更生し、教員になった。学校生活の中で問題を解決できず困っている子たちに寄り添いたいと思ったからです。

フリースクールの「IRORI」を運営するLYHTYの佐々木健治代表=金沢市山の上町で

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 小学校の教員になり、いろいろな子たちと出会い、すてきな時間も過ごさせてもらいました。けれど、学校に来られないとか、家庭内暴力を受けているとか、そういう気にかかる子たちに何もできない自分が悔しくて、思い切って教員をやめました。

 フリースクールのこの「IRORI(いろり)」を作ろうと思ったのは、不登校の子らが通う場所があまりにも少なかったから。何かしらの理由で学校に行けない子たちの人生はどうなるんだろう、と考えたからです。

 たとえば部活動を選べるように、私たちが仕事を選べるようには子どもたちって学校を選べない。だいたい同じ地域の中で育っていく。それも大切なことですが、どうしても合わない子たちがいる。対人的な問題から学校に行くのがストレスで命を絶ってしまうとか。そういう子たちにとっての選択肢はもっともっと広がるべきです。

 子どもたちには、自分が一人じゃないと伝えたい。つらい経験をして、自分が一人じゃないかと思うことがあっても決してそうじゃない。苦しい、困っているという声を聴いてくれる人たちは必ずいる。

 何かのきっかけでつまずき、足が止まり、ふさぎこんでいるかもしれないけど、必ず立ち上がれる。

 みんなそれぞれが可能性を持っている。どんな生まれでも、どんな環境で育っても、障害があっても、そういうものに左右されて可能性の灯を消すことがあってはならない。

 その可能性の灯を輝かせ、その子の持っているエネルギーを引き出してあげるのが教育だし、IRORIはそうありたい。

 ここに通えている子たちは学校には行けないけれど、エネルギーがある程度たまって外に出られる子たちだと思う。もっともっと目をかけてあげたいのは、そもそも出てこられない子たち。今後は、家を訪ねて子どもと関係をつなぐサポートや、オンラインでのコミュニケーションなども考えていきたいです。

 フリースクールは民間運営ですが、子どもたちの命を守る安全面で公的なバックアップを期待します。たとえば施設の耐震性や防犯グッズの支援です。それから不登校の子たちにチケットを支給して、フリースクールなどで使えるバウチャー制度のようなものもあればいいと思います。 (辻渕智之)

【 ささき・けんじ 】 1990年生まれ。内灘町出身で中学時代から金沢市に在住。小学校教諭を3年務めた後、2017年4月にフリースクール「IRORI(いろり)」を正式開設した。運営する一般社団法人「LYHTY(リュフト)」の代表理事。

 

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