トップ > 石川 > 「守る」 > 記事

ここから本文

「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第5部 子ども】親の力で笑顔にできる 学習塾 子との接し方を助言

 子だけでなく、親も通う珍しい学習塾がある。金沢市高尾台の「MOYU(モユ)」。子どもを教える元小学校教諭の夫婦らが、子育てに悩む親にも子との接し方を助言する。子の向上心や笑顔を引き出すには親の力が大きく、「親が変われば子どもも変わる」と背中を押す。(平野誠也)

【上】塾を経営する小坂治美さん(右)から「アンガーマネジメント」を学ぶ保護者【下】都道府県の形が描かれたカードを使い、暗記力のトレーニングをする谷口一登塾長=いずれも金沢市高尾台の学習塾MOYUで

写真

 塾主任の谷口啓子さん(46)がカードをめくり、小学一年の男児に足し算の問題を出す。いくつか間違える男児に「7+7とか同じ数を足すとき、間違いやすいね」と言った後、笑顔でこう付け加えた。「でも、さっきはできたね」

 塾長で夫の一登(かずと)さん(50)は「学校では授業についていけなくても、前の学年に戻れない。どこでつまずいたかを早く見極めて、自己肯定感を高めてほしい」と話す。

 塾では、暗記力の養成にも力を入れている。

 九枚のカードがテーブルに並ぶ。中部地方にある各県の形が描かれ、どの県かを言い当てる。最初は順調だった石川県野々市市の小学五年、北瀬裕士(ゆうじ)君(11)は「あかん、もう忘れた」。一登さんが「徐々に覚えていこうか」と励ます。

 しばらくすると全問正解。一登さんは「すごい。中部地方卒業」と褒めた。県名の暗記でも、見て覚えるのが早い子と、聞いて覚えるのが早い子がいる。一登さんらは一人一人に合った方法を、と心掛ける。

 別の日、塾には母親三人が集まった。啓子さんは「子どもは何が○で、何が×かよく分かっていない。そのバロメーターは親の反応」と説明した。子どもの好ましい行動は褒める。一方、あまりしてほしくない行動をしたら、親が構ってくれないと気付かせるようにする。「むきになって怒らない」と呼び掛けた。

 とはいえ、親だってついイライラもする。塾を経営する小坂(こざか)治美さん(55)は心理カウンセラー。怒りの感情をコントロールして人間関係の向上を目指す「アンガーマネジメント」を紹介し、「怒らないことが目的ではない。怒る必要のあることは上手に怒り、必要ないことは怒らないように」と説いた。

 参加した阿部亜衣子さん(34)は「ママにしか分からない悩みがある。同じ思いで勉強できる場があるのは心強い」と笑顔になった。

 塾は昨年六月にできた。教諭時代、軽度の発達障害などがある児童らの教室を担当した啓子さんが、子との関係に悩む親と接する中で、小坂さんに相談したのがきっかけ。金沢市内外の小中学生ら約二十人と、母親約二十人が学ぶ。

 「親がちょっと関わり方を変えるだけで、子どもはやる気を出す」と啓子さん。「私たちが見守ることでお母さんの笑顔が増え、子も笑顔になる。そういう親子が一組でも広まれば」

石川テレビであす夕特集 

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。石川テレビの特集は27日午後6時20分以降の「Live News it!」で放送します。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索