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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第5部 子ども】町を活性化させる若者育って

能登町ふるさと振興課 地域戦略推進室係長綱屋栄次郎さん

まちなか鳳雛塾や能登高など地域が一体となった教育活動について話す綱屋栄次郎さん=能登町役場で

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 もし高校生が姿を消せば、町から活気が失われる。子どもを町外の高校に通わせることで、家計の負担も増える。町中心部の宇出津地区から最も近い珠洲市飯田高校までの通学バスの定期代は、年間で約二十万円もかかる。町への移住を考える子育て世代が断念してしまうかもしれません。

 それだけでなく、町にとって大きな経済的損失も生まれる。具体的にどれくらいのマイナスがあるのか、昨夏からこの冬にかけて初めて、北陸大の藤岡慎二教授のゼミの学生らと協力して試算しました。

 十年前に能登高がなくなっていた「仮想能登町」を想定する調査です。能登高の全校生徒や全職員にアンケートをし、食事や町内賃貸の家賃など、年間にどれだけ町で消費活動をしているかを計算。実際に高校がなくなった自治体のデータも活用しながら、子育て世帯が町外へ流出することなどを盛り込むと、十年間で町の人口が約千五百人も少なくなるという予測値も出た。

 それらを総合すると、十年間で計二十億円ほどの経済的損失が生まれることが見えてきました。能登町の財政規模(二〇一九年度一般会計当初予算は約百七十八億円)を考えるとインパクトがある数字です。

 したがって、町の教育環境を考えることは、子どもたちの学びの場を守ることはもちろん、地域の活性化や存続にとって大きな意味を持ちます。

 まちなか鳳雛塾の取り組みの大きなゴールは、町を活性化してくれるような若者が育つことだと思う。高校卒業後も町に残るか残らないかは別として、地域のことを理解し能登町が大好きな人が育ってほしい。

 この町でしかできない多くの体験をして視野を広げた人たちが将来、町のために何かやってみようと行動を起こすのだと思います。

【プロフィール】つなや・えいじろう=1979年生まれ。旧柳田村(現能登町)で生まれ育ち、能登高校の前身である宇出津高を卒業後、東京農業大へ進学。2002年に柳田村職員となり、能登町総務課秘書室の所属だった14年から鳳雛塾の運営に関わる。

 

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