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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第4部 家族】病児保育 親も支える 金沢 インフル流行期の味方に

預かった子どもを世話する広瀬雅枝さん=金沢市京町の城北病院にある病児保育室「はっぴ〜」で

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 発熱など子どもが病気になったときに預かってもらえる病児保育。共働きやひとり親家庭にとって心強い味方だ。仕事と育児の両立を支え、利用者は増えている。ただ、インフルエンザが流行する冬場などは予約が相次ぎ、預かってもらえない保護者も。受け入れ態勢の充実が求められている。(辻渕智之)

 「あっ、座薬、家の冷蔵庫に忘れてきちゃった」「大丈夫、出してもらえるので」「ただ、この子、座薬は嫌って…」

 朝、インフルエンザに感染した女の子(4つ)を預けにきた母親と保育士との間でこんなやりとりがあった。昼前、保育室に立ち寄った薬剤師は、座薬ではなく、粉薬を持ってきてくれた。

 金沢市京町の城北病院にある病児保育室「はっぴ〜」での光景だ。同じくインフルエンザの次女(4つ)を預け、夕方迎えにきた杉下恭子(やすこ)さん(40)は「祈るような気持ちで予約の電話をしました。空きがなくて会社を休むしかなかったことがあるので」と明かした。

 はっぴ〜は定員が六人。部屋は二つあり、インフルエンザなど感染力の強い病気の子は一緒の部屋にしない。そのため定員に達しなくても受け入れられない日がある。症状の急変時には同じフロアの救急外来でも診療を受けられるため、親は安心だ。

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 熱があっても走り回ろうとする子がいた。主任保育士の広瀬雅枝さん(57)は、静かにできるおもちゃ遊びに誘導する。「熱が上がったり、気管支炎の子はせきを誘発したりするので」。はっぴ〜開設から十五年のベテランで、認定病児保育専門士の資格を持つ。「大きい声で歌ったり踊ったりも控えます。私自身、声のトーンも落としてます」

 保育室に預けられた子はもちろん、別れ際に泣いてしまう親もいる。「お子さんのことを大切に思っているから涙が出るわけです。仕事で預けて見てあげられなかった分、家に帰ってからやさしくできる。後ろめたいって気持ちはマイナスな感情ではないと思う」

 はっぴ〜には医師もたびたび顔を出す。「足いたいの、治った?」。女の子の靴下をおろし声をかけていた三上真理子医師(41)が「実は、私もなんです」と笑った。夫は外科医の共働きで、三人の子どもがいる。「私もここに子どもを預けて、たくさんお世話になったんです」

 病児保育には課題もある。金沢市によると、感染症が流行する時期は定員オーバーになる。土、日曜は休みの施設が多く、預けにくい。自宅から遠い人もいる。石川、富山両県内の他の自治体も同じような課題を抱える。施設、定員の拡充にとどまらず、子育て中の保護者が仕事を休みやすい社会づくりが求められる。

【メモ】病児保育=病院や保育所に付設された専用スペースで預かる施設型、看護師らが保護者の自宅に赴く訪問型などがある。金沢市内の場合、現在は8カ所の病院、診療所で1日2000円で利用できる。開設費、運営費などは市区町村、都道府県、国が補助している。

石川テレビであす特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を連載しています。石川テレビの特集は9日午後6時20分以降の「Live News it!」で放送します。

 

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