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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第4部 家族】子育て「ファミサポ事業」15年 利用者は 未来の支援者

 地域の人が親に代わって、子どもを一時的に預かったり、保育所に送迎したりするファミリー・サポート・センター事業が石川県内で始まって十五年以上がたつ。子育て家庭や母親の職場復帰を支える制度で、利用者のニーズは高い。それだけに、子どもの世話をする人材の確保が課題となっている。(辻渕智之)

預かり先である提供会員の井川綾子さん(左)に笑顔で駆け寄る得永心暖君(中)。右は母親の教子さん=金沢市米泉町で(篠原麻希撮影)

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 「出産のための入院中と産後の一カ月、上の子の保育所のお迎えをお願いできたら…」「日曜に夫婦とも仕事なので、子どもを預かってもらえますか」

 金沢市教育プラザ富樫にある市ファミリーサポートセンターには、こんな相談の電話がかかってくる。

 子育ての支援を頼みたい人には「依頼会員」として登録してもらう。そして、子育てに協力したい「提供会員」の中から、できるだけ近所で依頼内容に沿う人を紹介している。

 「私も夫の転勤先の知らない土地で出産し、ものすごい子育てが不安でした」。センターで依頼を仲介するアドバイザーで市非常勤職員の飯田優子さん(49)は「『助けて』と誰にも言えず、一人で大変な思いをしているお母さんはたくさんいる」と話す。

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 ファミサポは国の事業。県内では小松市が二〇〇二年に始め、現在は十九市町すべてが実施している。提供会員は有償ボランティアとの位置づけで、金沢市の場合、一時間あたり七百円を依頼会員から受け取る。

 依頼会員は年々増えているが、提供会員の数は横ばいで、依頼に沿えない場合もある。そこで金沢市は、利用経験のある依頼会員に期待し、提供会員も兼ねる「両方会員」になってもらうよう勧めている。

 例えば、ある依頼会員の女性は職場復帰し、子が小学生になった。勤務を終えた夕方、別の依頼会員から引き受けた保育所のお迎えをしている。

 ファミサポでは過去、大阪府の女児が預け先の家での事故後に死亡した。事故などへの不安もよぎるが、厚生労働省は緊急救命と事故防止の事前講習を提供会員に義務づけた。

 金沢市の主婦得永教子(とくながのりこ)さん(33)は病院へ行く際などに四歳と六カ月の息子を預ける。長野県出身で身近に知人は少ない。「一対一できめ細かくみてもらえる。私たち親以外に子どもが甘えられる人がいるのもいいと思います」と感謝する。

 長男の心暖(こあ)君は、提供会員の井川綾子さん(53)宅の玄関を開けると、井川さんにすぐ抱きついた。そして、戸棚から魚釣りゲームを慣れた様子で取り出すと、遊び始めた。

 井川さんはこの十年間で七十人近い子をみてきた。「預かった子が大きくなってからも年賀状が届くし、会いに来てくれる。末永くつきあえるのもうれしいんです」

石川テレビであす特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。石川テレビの特集は28日午後6時20分以降の「Live News it!」で放送します。

 

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