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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第4部 家族】悩みや情報 共有し生きづらさ解決

発達障害について語る水戸勇佑さん=金沢市内で

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大人の発達障害を明るく語る会 ここらぼ

代表・水戸勇佑さん

 社会人一年目のときは、胸を弾ませていました。営業成績ナンバーワンになり、上司やお客さんから信頼され、かわいい女子社員と仲良くなりたいと。ところが、実際は真逆でした。忘れ物が多く、遅刻魔。ミスを繰り返す。怒られ続けました。

 二年目に椎間板ヘルニアで休職し、気分も沈んで「うつかもしれない」と心療内科にかかったところ、注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断されました。びっくりしましたが、トラブルの多さから多少納得できる部分もありました。

 僕は覚えられる容量が少ないんです。いくつも指示を受けると、古いものから順にだるま落としのようにポン、ポンと頭から抜けていく。「後でいいからやっておいて」という指示が重なると、できなくなる。

 診断結果を最初に伝えたのは両親ですが、初めは理解してもらえませんでした。「それは怠けや甘えを正当化するための言い訳や」と。子どものころから、他人と同じことができず怒られ、なぜ怒られるのかも理解できなかった。

 発達障害の子どもに抽象的な表現は伝わりません。例えば「そこに水あげといて」と親から花に水やりをするよう言われても、どれだけ水を入れていいか分からない。何か知ってほしい、やってほしいなら、相手にふさわしい話し方をすべきです。

 二〇一六年七月に「大人の発達障害を明るく語る会 ここらぼ」を設立したのは、同じ障害のある人と交流したかったから。会の目的は、発達障害のある人や家族、支援者らが悩みや情報を共有し、生きづらさを解決していくことです。障害者だけでなく、家族らも苦しんでいます。つらさに共感し合うだけでなく、将来どうしたいのかを話し合います。

 子どもには家と学校、二つのフィールドがある。家より長く過ごす学校では周りになじめず、嫌われたりいじめられたりする子もいる。だから、家は絶対的に安全地帯であるべきです。学校でも家でも認めてもらえない。こんなにつらいことはありません。

 こんな子どもに育ってほしい、という思いがあるのに、子どもがそれに反する行動をすることにストレスを感じる親は多いはず。自分の価値観より子どもがどう感じているかを大切にすれば、親も悩みが減ります。

  (平野誠也)

 みずと・ゆうすけ 1987年、金沢市生まれ。2011年に近畿大卒業。発達障害のことを知ってもらおうと、14年から動画投稿サイト「ユーチューブ」での配信を開始。講演活動も続けている。「ここらぼ」への参加申し込みは水戸さん=電080(5853)0310=へ。

 

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