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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第4部 家族】 DV不条理さ気付いて 被害者支援のNPO 

 夫に首を絞められ、心まで支配される。家庭という閉ざされた空間で肉体的、精神的な暴力を受けるドメスティックバイオレンス(DV)。石川県内のNPO法人「ウィメンズ・エンパワーメント金沢(WEK)プロジェクト」は自身がDV被害者だった女性らもメンバーとなり、悩む人たちのケアに取り組んでいる。(小佐野慧太)

打ち合わせをする「WEKプロジェクト」の坂井美津江代表(右から3人目)ら=金沢市伏見新町で

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 「周りからは、口答えをするのがいけないとか、殴られるのが好きなんじゃないかとか言われた」。WEKプロジェクトのメンバーで、DVを受けた経験のある女性(38)は振り返る。

 夫からは気にくわないことがあると殴られ、ときに首も絞められた。そんな日々に疲れ、おかずを一品作るたびに休憩しなくてはならないほど、追い詰められた。「誰からも理解されないことがつらかった」

 夫と離れて実家で暮らすと、心も体も少しずつ楽になった。離婚手続きに関わる行政書士の仕事を始め、WEKプロジェクトのDV被害者サポーター養成講座を受けた。そのとき初めて、自分が不条理な暴力を受けていたと気付いた。

 「勇気をふりしぼって相談機関に行きなよって、十年前の自分に声をかけたい。そうしたら、もっと早く楽になれたと思う」

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 WEKプロジェクトは二年半前に発足。養成講座を受けた主婦や会社員ら男女約三十人が活動している。年齢は三十から七十代と幅広い。DVや離婚についての相談、離婚後に親権を失った親に子どもを会わせる「面会交流」の仲介をしている。昨年度は百三十四件の相談を受け、十二組の面会交流を仲介した。

 事務所は金沢市伏見新町のマンションの一室。おもちゃもたくさん並ぶ。「あなたがサポートしている人、最近、元気?」「連休になると、しんどいんだって。家にいると一人で考え込んじゃうから」。二十四日に集まったメンバー六人は近況や今後の活動方針などを話し合った。

 警察庁によると、傷害や暴行、脅迫などDVに分類できる事案の摘発数は昨年九千十七件に上り、過去最多となった。石川県内は六十五件だった。

 「本人が当たり前の日常だと思っていることに、私たちが『それって、モラハラ(精神的な暴力)だよ』って指摘する場合も多い」。WEKプロジェクトの坂井美津江代表(64)は言う。「まずDVを受けていると気づいてもらえば、生きづらさを乗り越えるきっかけになると思います」

◇石川テレビで今夕特集◇

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。石川テレビの特集は26日午後6時30分ごろからの「Live News it!」で放送します。

 

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