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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第4部 家族】 会話できる家族関係 DV減らす鍵

WEKプロジェクト代表 坂井美津江さん

活動内容について話す「WEKプロジェクト」の坂井美津江代表=金沢市伏見新町で

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 DV(ドメスティックバイオレンス=家庭内暴力)被害で相談に来た人の、帰りがけの表情が変わっているとホッとする。これは私のライフワークだと感じています。

 金沢市役所を退職した後、DV被害者の心の支えになりたいと、NPO法人「ウィメンズ・エンパワーメント金沢(WEK)プロジェクト」を立ち上げました。三年に入りましたが、相談件数は年々増えています。今年は四月からの半年間で約百件あり、百三十四件だった昨年を上回るペースです。

 市役所での最後の役職が、DV被害者の支援をする女性相談支援室の室長でした。行政による支援には限界があります。被害者の心と体の回復には時間がかかりますが、長期にわたる支援が難しい。それに行政だと、支援対象が女性と子どもでは担当する課が違う。同じ家で暴力を受けているケースでは、親と子を一緒にケアしなければならないはずです。

 市役所時代、夫からDVを受けた女性が、別居後に一緒に暮らしていた子どもとの関係がうまくいかず、心を病んで入院してしまうケースがありました。結局、家族はばらばらになってしまいました。

 子どもの目の前で配偶者に肉体的、精神的な暴力をふるう「面前DV」は、確実に子どもの心をむしばみます。日常的に暴力を目にしてきた子どもが、後に暴力を振るうようになる例も多い。DVは連鎖します。DVと子どもの問題について、しっかりと考えないといけない−。だからWEKでは、「男女共同参画社会の形成」とともに、「子どもの健全育成」に取り組んでいます。毎月第一日曜、母親が子連れでゲームやランチを楽しめる「母と子のおしゃべりサロン」を開いています。

 離婚後に親権を失った親に子どもを会わせる「面会交流」の仲介支援は、男性からの問い合わせも目立ちます。ただ、WEKに相談を持ち掛けてくるのは、女性のほうが圧倒的に多い。「女子ども」という差別的な言葉があります。女性や子どもが自分の思い通りになると思っている男性がいることが、DVがなくならない要因だと思います。

 男性も、女性も、子どもも対等に会話のできる家族関係を築く。それが、DVを減らし、子どもが健やかに成長していくための鍵になると思います。(聞き手・小佐野慧太)

【さかい・みつえ】1955年4月、金沢市生まれ。金沢錦丘高校を卒業後、金沢市役所に勤務。人権女性政策推進課長兼女性相談支援室長を務め、59歳で依願退職。WEKプロジェクト代表。(問)WEKプロジェクト076(255)7582

 

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