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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第4部 家族】 一人の人間として同じ目で見て

LGBT 岡田千央美さん

LGBTの人たちがモデルになった撮影会「OUTINJAPAN」に臨む岡田千央美さん=金沢21世紀美術館で

写真

 子どものころから、女の子が好きなリカちゃん人形ではなくて、仮面ライダーとか戦隊モノが好きでした。中学校の入学式の前にはセーラー服を着るのが嫌で。「学ランがいい」と親に言ってました。

 何だろう、何か違う、自分は何だろうって、もやもやしてました。男の人と付き合ったとき、向こうは手をつなぎたいのに、できない。で、逃げる、みたいな。女性として扱われる自分が嫌でした。

 成人式で、姉も着た着物を着たんです。おばあちゃんが用意してくれた着物だし、着ないとまずいって空気がひしひし、ばしばしと伝わってきて。女性らしい格好はこれで最後と心の中で決めてました。

 二十代前半でドラマを見て、「これだ!」とはっきり気づきました。主人公は女性ですが、心は男性。女性扱いされるのが嫌で、女性を好きになる。自分と、どんぴしゃでした。

 初めに打ち明けたのは両親にです。「好きな相手は女の子なの?」と聞かれ、「そうだよ」と。言うのに勇気は要りました。逃げるようにすぐ家を出て、遊びに行きました。

 パートナー(の女性)とは七年ほど前から一緒に住んでいます。なくてはならない存在で、空気のように当たり前にいる。いなくなったら困ります。家族ですね、普通に。どんな形であっても、本人が家族と呼べるなら家族です。

 パートナーと仲良くできるのも親の理解があるからで、自分は恵まれている。親がなかなか認めてくれないという人たちの話も聞きますので。

 (金沢21世紀美術館で七日あった)撮影会に参加したのは、思い切って公の場でカミングアウト(告白)してみようと。自分という人を受け入れてもらえたら、LGBT(性的少数者)の人が身近にいると知ってもらえたらいいかなという感じです。

 焼き鳥店を五年前に始めましたが、女性として見られ「女性でやっててすごいね」と言われたり、「彼氏いるの?」と聞かれて「興味ないから」と答えたり。それがだんだん苦痛にもなっていました。

 おいしいものを作りたいという気持ちや、食べるということは性別に関係ないと思い、お店をやってます。(写真が展示されることをきっかけに)びっくりされるお客さんもいると思いますが、今までどおり接してくれたらうれしいです。一人の人間として同じ目で見てくれたら、LGBTの人たちは生きやすくなると思います。 (辻渕智之)

 おかだ・ちおみ 1984年生まれ、金沢市出身。LGBTのFtM(Female<女性> to Male<男性>の略)。女性の体で生まれ、心の性を男性と自覚している人。金沢市内で焼き鳥店を営む。

 

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