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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第4部 家族】 若年性認知症でも社会参加できる

つむぐ会の活動内容について話す道岸奈緒美さん=金沢市富樫で

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つむぐ会副代表 道岸奈緒美さん

 病気の人の社会生活を支援するソーシャルワーカーの仕事をしていて、九年前に四十代の男性の相談を受けました。若年性認知症と診断されたので、社会保障を受けたいとの相談でした。びっくりしました。スーツをビシっと着た人だったので、私が持っていた認知症のイメージが崩れました。お年寄りの利用者が大半のデイサービスや介護保険を紹介したらショックを受けるんじゃないかと、戸惑いました。

 しばらくして高校の同窓会があり、同級生から母親が若年性認知症になったと打ち明けられました。一緒に「若年性認知症の人と家族と寄り添いつむぐ会」の副代表をしている谷口紀子さんです。

 彼女と話しているうちに、当事者や家族が社会参加できる場所がない現状を何とかしたい、わくわくできる場所をつくりたいと考えました。そこで、谷口さんらと二〇一五年につむぐ会を設立しました。

 金沢市内で毎月開いている「若年性認知症カフェ」などで認知症の人にやりたいことを聞いて、居酒屋に出かけたり、山登りをしたりしています。認知症の人って記憶力など失われる能力はあるけれど、何かをやりたい、新しいことに挑戦したい、という思いは変わらない。オカリナを練習して、カフェで仲間に腕前を披露した六十代の男性もいます。本当にすごいな、と感動しました。つむぐ会のメンバーが四年間もボランティアを続けてこられたのは、認知症の人や家族の笑顔があったからだと思います。

 若年性認知症について理解を深めてもらう取り組みにも力を入れています。保護者が若くして発症した場合、子どもが小さいケースもあります。保護者が子どもに発症を打ち明けることができなければ、家族だけで問題を抱え込むことになります。ですから、金沢市浅野川中学校では生徒に認知症について知ってもらう授業を開いています。子どもたちからは「怖いと思っていたけれど、イメージが変わった」などの声が寄せられ、手応えを感じています。

 活動に協力してくれる企業をもっと増やすために、積極的に呼び掛けていきたいと思います。音楽、スポーツなどそれぞれの企業には活動の場を提供してもらえれば、と思います。

 つむぐ会を利用している当事者は約十人です。診断を受けている人はほかにもっといるはず。会の取り組みをもっと紹介して、支えていけたらと思います。 (小佐野慧太)

【みちぎし・なおみ】 1973年12月、金沢市生まれ。東北福祉大卒。KKR北陸病院にソーシャルワーカーとして勤務。市民団体「若年性認知症の人と家族と寄り添いつむぐ会」の発起人で、副代表を務める。(問)つむぐ会080(1954)3681

 

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