トップ > 石川 > 「守る」 > 記事

ここから本文

「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第3部 いのち】公認心理師 挑む北陸学院大 心の健康支えたい

 二〇一七年九月、心理分野で初の国家資格となる公認心理師が新設された。一八年度にいち早く、養成カリキュラムを設けたのが、北陸学院大(金沢市)だ。人間総合学部社会学科の松下健准教授(38)は、心のケアの社会的要請が高まっていると指摘し、「公認心理師は心の健康を支えていく人材になる」と話す。(村松秀規)

パソコンを使って錯視の実験をする西川真菜さん=金沢市の北陸学院大で(石橋克郎撮影)

写真

 学生二十四人が七日、見た物が、脳の処理によって実際とは違って見える「錯視」を学んでいた。同じ長さの二本の横線の両端に、それぞれ「>」「<」を加えると、外向きの「>」の方が長く見える。「>」「<」の線の長さや角度などで、見え方の差がどのように異なるかも実験した。

 実験から個人差のデータを取り、平均値を出す。公認心理師で社会学科講師の加藤仁さん(31)は「データに基づいて分析、議論するといった心理学の基礎になる」と説明する。「心を読むのではなく、根拠を基に人の一般的な傾向を知り、理解するために心理学は存在する」と強調した。

 学生たちはこうした実験をするほか、知覚・認知、発達、神経・生理などの心理学や統計の手法、カウンセリングの技法などを学んでいく。八十時間以上の実習も受ける。

 それらの省令で定められた科目を大学で修めただけでは、公認心理師にはなれない。大学院でさらに学ぶか、厚生労働省と文部科学省が認定した施設で二年以上の実務経験を積んでようやく、受験資格を得られる。

 道のりは険しいが、公認心理師を目指す二年の西川真菜さん(19)は、「学校で支えるスクールカウンセラーになりたいと思っています」と意欲を見せる。活躍の場は、学校以外に、病院、福祉施設、少年院、企業などが想定される。

 厚労省の一七年の調査では、そううつ病を含む「気分障害」など精神疾患がある患者数は約四百十九万人。調査は三年ごとに行われ、一九九九年と比べると二百十五万人ほど増えた。公認心理師が誕生した背景には、そうした事情がある。

 ただ、松下氏は「公認心理師の制度はできたばかりで、まだ『赤ちゃん』の状態」と説明する。約三十年前から、民間の認定資格の臨床心理士が心のケアを行っているが、専門性の違いは「一言では言えない」。

 「二二年に制度の見直しがある。国がルールを定めれば他の資格と比べ、できること、できないことがはっきりしてくるだろう」

石川テレビで今夕特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。石川テレビの特集は13日午後6時35分ごろからの「石川さんプライムニュース」で放送します。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索