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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第3部 いのち】 ヘリ活用 どこでも駆けつけたい

ドクターヘリの役割について話す南啓介医師=金沢市の県立中央病院で

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県立中央病院救命救急科 南啓介医師

 ドクターヘリ導入で、能登方面を中心に、今まで搬送できなかった医療圏からも患者を受け入れられるようになりました。その地域では治療できない重症患者をより早く診ることができる。医師、看護師がいち早く介入したことで、一命を取り留めた例が既にいくつもあります。

 ヘリの中で大掛かりな手術はできませんが、血圧低下や呼吸困難になった患者に初期治療を施せます。以前はドクターカーを使っていましたが、車だと時間がかかる。エリアも限定される。ドクターヘリは速やかに広い範囲で患者に接触でき、非常に効果があると感じています。

 私は二〇一〇〜一二年、輪島市の離島・舳倉島や珠洲市の病院で勤務していました。救急車に同乗し、二時間以上かけて金沢の病院に搬送することもありました。車内でできる治療は限られ、長時間の移動は患者に負担がかかる。搬送途中で心臓が止まってしまったこともありました。

 心筋梗塞などは治療を開始するまでの時間が短いほど、予後は良好になる。だから、一分一秒をロスしたくない。ドクターヘリを使えば珠洲から県立中央病院まで三十五分ほど。早く治療をしなければならないときに、時間を短縮できるのはとても大きいです。

 ドクターヘリには中央病院の医師が乗るので、能登地域の医師が病院を離れなくてもよくなったことも利点です。奥能登から救急車に同乗すると、往復で四時間以上、その医師が不在になっていました。

 ただし、ヘリの運航は天候に影響されやすく、飛べないこともあります。出動要請が重複することもあるので今までと同様、緊急時には県防災ヘリも活用します。

 市民はもちろん、開業医や小さな病院の医師たちにも、まだ、ドクターヘリの仕組みを周知できていないところがある。うまく活用してもらえるよう、広めていきたい。どこでも駆けつけ、命を救いたいと思います。 (小坂亮太)

 みなみ・けいすけ 1982年8月生まれ。金沢市出身。自治医科大(栃木県)を卒業後、能登地方で3年間、医師として働き、2013年から県立中央病院で勤務。

 

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