トップ > 石川 > 「守る」 > 記事

ここから本文

「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第3部 いのち】患者が喜ぶ介護食を 味わい追求 能登の栄養士ら一丸

ステーキを模した特別メニューを作る橋本良子さん(左)ら=石川県七尾市の七尾サンライフプラザで

写真

 食事の充実は生きる力になる−。そんな信念を持って、石川県の能登地区の管理栄養士らでつくる「食力(しょくりき)の会」は、食べ物を飲み下す嚥下(えんげ)機能が低下した患者をサポートする。安全なだけでは足りない。食欲も湧くような介護食のメニューの研究に余念がない。(中川紘希)

 食力の会が六日、七尾市本府中町の七尾サンライフプラザで介護食の料理教室を開いていた。講師は管理栄養士の橋本良子さん(65)で、看護師の受川志津子さんら三人が「ステーキ」の作り方を学んだ。

 細切れの牛肉をミキサーにかける。食材をゼリー状に変化させるゲル化材を加え、肉を成型して焼き上げたら完成だ。受川さんは「一見すると本物みたい」と喜び、口に入れた。「舌でつぶせるほど軟らかい」

 頸椎(けいつい)損傷で、食べ物をかむことができないのにステーキを食べたがる男性患者に、「早く食べさせてあげたい」と言う。今回の教室は、男性の要望に応えたいという受川さんの依頼によって開催された。

 橋本さんは「介護食で大切なのは、香りや見た目です」と語る。今回の「ステーキ」は、最初にフライパンでニンニクを焼いて香りを加えた。成型肉には凹凸を付け、斜めの焼き目が入るようにした。「人は五感で料理を楽しむ。見た目が茶色で、ドロドロだったり、変なにおいがしたりでは食欲は湧かないでしょ」

 食力の会が誕生したのは二〇一一年。現在、メンバーは十人ほどで、七尾市の公立能登総合病院の歯科口腔(こうくう)外科部長の長谷剛志(たかし)医師(43)が代表を務める。福祉施設や病院で働く栄養士らが月に一度集まり、患者の食事の問題解決について話し合ったり、セミナーを開いて市民に介護食の注意点などを教えたりしている。

 老化や病気によって嚥下機能が低下すると、気管に食べ物が入る誤嚥性(ごえんせい)肺炎や窒息のリスクが高まる。リスクを心配しすぎて液体に近い食事にしたり、点滴ばかりに頼ったりするケースも少なくない。

 長谷代表は「食事からは栄養だけでなく、心理的な満足も得る。生命力にもなる。患者ごとに残っている機能を確認しながら楽しめる食事を検討することが大切です」と訴える。

石川テレビで今夕特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。石川テレビの特集は14日午後6時25分ごろからの「石川さんプライムニュース」で放送します。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索