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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第2部 伝統】 必要とされ続ける限り頑張りたい

常連客と談笑する南谷良枝さん(左)=輪島市門前町黒島町で

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行商25年 南谷良枝さん 輪島

 行商をしている祖母の背中を見て育ちました。「家が魚臭いな」とか「朝早くて大変そうだな」と思ったこともありましたが、いつもお客さんと笑顔で会話をする祖母を見ていたら、いつしか自分もやりたいと思っていました。十八歳で免許を取ってすぐに振り売りを始めたのは、ある意味必然かもしれません。

 最初は苦労もありましたが、なじみ客が増えていき、多いときには週に五、六回、穴水町や中島町(七尾市)など市外も積極的に回りました。ですが、北陸新幹線の金沢開業や「まれ」(NHKの連続テレビ小説)の放送で、行商と同時に始めた朝市の店から手が離せなくなり、市外の行商をやめるしかありませんでした。

 始めた当時から回っている門前町では、今でも週に二回行商を続けています。家族構成や好みの味はもちろん、お年寄りが多いので病院の時間も頭に入っています。販売は、旬の魚がメインですが、ニーズに合わせてバナナやようかん、トイレットペーパーなどの日常品も積んでいくことがあります。何でも屋さんのように、電話一本で駆け付けたりもしています。

 二十五年も回っていると、地域一帯が家族のように迎えてくれます。だからいつも来てくれる人が来ないときは、なぜ来ないのか分かるまで帰りません。大好きな人たちに何かあってからでは遅いですから。

 行商という仕事は、過疎化や高齢化が進んで、買い物難民が増えている今こそ注目されてほしいです。休みは正月の三日ぐらいしかないし、割に合わないこともあります。でも誰かに必要とされる喜びには代えられません。

 私も大切な人たちから必要とされ続ける限り、フルパワーで頑張りたいです。 (関俊彦)

 みなみだに・よしえ 1975年6月、輪島市生まれ。輪島朝市で、一夜干しなどを販売する「南谷良枝商店」の店主。

 

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