トップ > 石川 > 「守る」 > 記事

ここから本文

「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第2部 伝統】 法要と「お斎」住民結ぶ

本堂で勤行をする人たち=11日、石川県白山市別宮町の妙観寺で(西浦幸秀撮影)

写真

報恩講

 浄土真宗にとって最大の仏事である「報恩講」。年に一度、宗祖親鸞の命日に合わせて遺徳をしのび、教えに出合うことで信心をつなぐ。北陸地方は浄土真宗が広く深く根差しており、報恩講は地域の人々が集う大切な機会でもある。(村松秀規)

 「ようこそ。ようこそ」

 十一日正午、石川県白山市別宮町の妙観寺(真宗大谷派)で、十九代目住職の山内譲さん(58)の妻圭子さん(50)らが、法要を終えた参詣者百四十人余を出迎えた。テーブルには近所の女性らが調理を手伝った精進料理「お斎(とき)」が並ぶ。

 「お寺によって工夫が違う。これを楽しみにお参りに来る人も多い」と山内さん。大根やレンコンなど根菜の煮物や親鸞が好んだとされる小豆汁のほか、妙観寺では「三井寺(みいでら)」という大きながんもどきを添える。

 「一年に一回の楽しみ」と辻純子さん(85)は笑顔を見せた。「お寺さんでいただくことで、特別な味がする。元気をいただけた」。北口佳伸さん(73)は「料理に心がこもっているのが味にも出ている」と話した。

 妙観寺では、手作りの味を大切にしている。山内さんは「お斎を楽しみにしてくれる人たちのためにも、毎年、報恩講に来てもらうためにも、この形を続けたい」と言う。

 十年前から、体を悪くした義母に代わって圭子さんが中心となって、お斎を作る。仕込みに二日、報恩講の当日はご飯を炊いたり、料理を容器に詰めたり。近所の女性や圭子さんの知人ら約二十人が入れ代わり立ち代わり協力してくれる。

 「別宮のお寺さんやから」と仕事を休んで手伝う人もいるという。「金沢から嫁いで何も分からなかった私を温かく迎えてくださり、助けてくださり、感謝しかないです」と圭子さん。

 この地域は「一向一揆の里」。寺を大切にする住民が多いとはいえ、過疎化や「寺離れ」によって、報恩講に参加する人は減っている。十年前、お斎を三百食ほど振る舞ったが、今年はその半分。圭子さんは「年に一度のこの機会にしか会えない人もいる。一大仏事ですから、続けていかなければならないと思います」と話した。

 報恩講 本山の行事は特に、御正忌(ごしょうき)報恩講と呼ばれる。親鸞の命日は旧暦11月28日、新暦1月16日。新暦に合わせて行う派もあるが、真宗大谷派は旧暦の命日を最終日として1週間行う。各地の寺は本山の日程とずらして行うのが一般的。

石川テレビで今夕特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。石川テレビの特集は15日午後6時25分ごろからの「石川さんプライムニュース」で放送します。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索