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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第2部 伝統】 三花街 枯らさぬ情熱

観光客向けのお座敷体験会で、踊りを披露するつるさん(左)=金沢市野町で(泉竜太郎撮影)

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金沢芸妓

 金沢芸妓(げいぎ)は艶(あで)やかな着物に身を包み、しとやかな踊りで見る者を魅了する。江戸時代から続く、金沢のひがし、にし、主計(かずえ)町の三茶屋街で、芸妓たちは平成の今も、華やかな世界を創り出すべく稽古に励む。 (村松秀規)

 ♪ どん、どん、どんつくつ、どんどんつくつ、どんつくつ−。

 にし茶屋街のお茶屋「浅乃家」のお座敷で、唄と三味線の音色に合わせ、つるさん(18)=本名吉田すず、富山県入善町出身=が先輩芸妓と並んで舞っていた。十三日にあったお座敷体験イベント(金沢市など主催)の一幕だ。

 「お姉さんの隣に並んで踊るとまだまだだなって思います」(つるさん)。扇子の動作、身のこなし、視線など気を配ることはたくさんある。聞きなじみのなかった三味線と唄に合わせて踊るのは、「特に間の取り方が難しい」と言う。

 芸妓の世界は後継者不足に悩まされている。女将(おかみ)の八重治(やえはる)さん(76)は「少なくとも芸妓さんらしくなるには五〜六年はかかる。つるちゃんの年代が増えてこないと穴があくわね」と話す。

 かつては、なりたくてもなれないほどだった。「常に活気があり、ごひいきのお客さんに着物を作ってもらったりもした。今は足袋の一足もくれん時代や」。客が減り、芸妓のなり手も少なくなった。

 にし茶屋街のお茶屋は四軒だが、八重治さんが芸妓になって間もない一九六三年ごろには、「三十軒はあった」。にしだけで百人近くいた芸妓は現在、ひがしと主計町を合わせて四十七人しかいない。

 十七日、名古屋・西川流四世家元の西川千雅(かずまさ)さん(49)が年に一度の指導でにし茶屋街の「西検番事務所」を訪れ、芸妓十一人にこう語り掛けた。「芸妓は芸事があるから信頼につながっています」。お座敷の料金を下げ、着物姿で踊りも芸もしないのでは、芸妓ではなくなってしまう、という趣旨だ。

 つるさんもこの日、西川さんの指導を受け、稽古に熱が入った。「プレッシャーはあります。今は目の前のことに必死です」

石川テレビで今夕特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。石川テレビの特集は25日午後6時25分ごろからの「石川さんプライムニュース」で放送し、つるさんのインタビューを後日、金沢版で掲載します。

 

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