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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第2部 伝統】 手を合わせて祈る場所 残したい

仏壇の部品を利用したアクセサリー作りに取り組む池田拓朗さん=金沢市安江町で

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金沢仏壇 池田拓朗さん

 11日朝刊1面に掲載した連載企画「守る」で紹介した金沢仏壇の池田拓朗さん(33)のインタビューです。(村松秀規)

 高校二年の夏休みにオーストラリアでホームステイをして海外で働きたいという夢を持ちました。大学卒業後、海外にも店舗がある眼鏡専門店の会社に就職したのですが、販売などを任され、海外には行けなかった。なので、四年働いて退職し、ワーキングホリデー制度で、シドニーで一年間過ごしました。

 そのとき、日本人の陶芸家が、自分の作品を市で売っていたのを見たんです。自分が作った物を海外で売ってみたい、そういう形で海外で関わるのもいい、と思うようになりました。

 帰国してすぐ「池田大仏堂」に入り、塗師(ぬし)になりました。もともと家業を継ぐ気がなかったので初めて仏壇の現状を知って最初の三年は苦痛でしたね。いつかなくなるのでは、と思ったからです。将来が見えなかった。でも、同じ悩みを持つ金沢仏壇商工業協同組合青年部の仲間と相談したりして、それが助けになって続けられています。

 家業を守りたいのか、仏壇の技術を守りたいのか、自分でもよく分かりませんが金沢仏壇が美術館に展示されるだけの存在になってしまうのは避けたい。仏壇をなくしてほしくはないですね。手を合わせる場所、祈る場所。人は一人では生きていけないと思うから。

 仏壇を将来も残していく方法として、ほかの産地と協力して作ることも考えられます。金沢仏壇が中心になって残っていくようなら、とてもうれしいです。

 よりよいものを作って、喜んでもらいたい気持ちがこの仕事をしていて一番にあります。結局は、自分は物を作ることが好きだったのだと思います。

 アクセサリー作りなどは主に若い人たちに興味を持ってもらうためにやっていますが、最終的にはやはり本業の仏壇作りにつなげていきたいと思っています。

 いけだ・たくろう 1985年生まれ。1850(嘉永3)年創業の仏壇製造・販売「池田大仏堂」(金沢市安江町)の7代目。

 

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