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認知症 介護の現実 中能登で山谷さん 「支え合える仲間必要」

若年性認知症の妻の介護について苦労などを語る山谷靖昌さん=中能登町西馬場で

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妻を責める日々、自身も孤立…

 六十五歳未満で発症する若年性認知症への理解を深める講習会が、中能登町西馬場の介護老人福祉施設「第二鹿寿苑(ろくじゅえん)」であった。認知症の人と家族の会県支部の能登地区世話人、山谷(やまや)靖昌さん(74)=穴水町=が講師を務め、若年性認知症になった自身の妻を介護した苦労を明かした。参加した当事者の家族や町職員ら計約三十人は、この症状への対応の仕方、課題について理解を深めた。

 「何で分からないんや。しっかりせいや。正そうと思って、怒ってしまった。今思えば、悪いことしたな」。一日に同施設であった講習会。山谷さんは、当時五十一歳の妻が若年性認知症と診断された十九年前を振り返った。「責めて、責めての毎日だった」

 病の進行は想像以上に早かった。診断の翌年には、結婚式の場で、親戚に三十代になった子の年齢を聞かれた妻は「三歳」と答えたという。次第に料理や物事を組み立てて考えることができなくなっていった。徘徊(はいかい)を頻繁にするようになったほか、置いてある物に向かって「バカたれ」と言葉を荒らげるように。デイサービスに行けば、他の利用者に暴言を吐き、施設から苦情を言われた。山谷さんは「招かれざる客だった」と振り返る。

 次第に食事もできなくなり胃ろう手術を受けたが、二時間おきにたんを吸う必要があった。「寝られない日々が続いた。在宅介護の限界を感じた」。その後、妻は施設へ入所した。

 山谷さんは「自分自身が孤立した。誰とも会話できない、どこへも行けなかった」。介護のために家族の会の集まりにも通えなくなった経験を踏まえ、「支え合える仲間が欠かせない。互いに話し合うことで気持ちにゆとりも生まれる」と語った。

65歳未満「若年性」

 認知症は高齢者の発症が多いが、六十五歳未満の場合は「若年性認知症」となる。退職前に発症すると、仕事が続けられなくなり本人の精神的なケアも必要になる。女性より男性の発症が多いといい、仕事の継続が難しくなると家族の収入が減るなど経済的な問題も生じ、支援策も課題とされる。 (稲垣達成)

 

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