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鉱山遺構に投影 からみと尾小屋に光

(上)デジタル掛け軸を映し出す「からみ」で造られた蔵=小松市尾小屋町で(下)2012年、ノーベル賞のパーティー会場を照らし出すデジタル掛け軸=長谷川章さん提供

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デジタル掛け軸 22、23日上映

有志企画、芸術家長谷川さん協力

 鉱山の町として栄えた小松市尾小屋町で二十二、二十三の両日、建物などに光のアートを投影するデジタル掛け軸(プロジェクションマッピング)のイベントが初めて開かれる。鉱石から銅を抽出する際に出る副産物で、建築資材として使われた「からみ」を知ってもらおうと、有志の会が同町に残る遺構に映す。掛け軸を手掛ける同町出身の芸術家長谷川章さん(71)は「からみには独特な味わいがある。色彩のシンフォニーを堪能して」と呼び掛けている。 (青山直樹)

 尾小屋町は、日本有数の銅の産出量を誇った尾小屋鉱山で栄えた。銅の抽出時に出るからみは、れんがに成形され、全国の鉱山のある町で明治時代後期から大正初期にかけ、建築資材に使われた。主に鉄とケイ素からなり、独特の光沢を放つ。尾小屋では護岸や蔵などに使い、遺構が今も残る。

 鉱山の製錬場などは既に失われ、からみは往時の町の雰囲気を伝える貴重な遺物。そのからみを産業遺産として発信しようと、県尾小屋鉱山資料館の四目圭吾館長(61)ら有志八人が、保存会を設立。長谷川さんが無償で企画を引き受けた。

イベントの詳細を話し合う長谷川章さん(右から2人目)ら保存会のメンバー=小松市の県尾小屋鉱山資料館で

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 イベントは「尾小屋鉱山に帰る日 をごやからみ石デジタル掛け軸」と題し、同資料館近くで開く。長谷川さんは二〇一二年、スウェーデン・ストックホルムでのノーベル賞受賞パーティーで、デジタル掛け軸を披露した第一人者。尾小屋での光のアートはからみで造られた蔵の外壁と排水路、コメの保管庫だった地下室の三カ所に映し出す。

 上映は両日とも日没から午後九時まで。約百万枚の画像を無作為に選び、プロジェクターで投影する。光の芸術は刻一刻と変化し、幻想的な雰囲気をつくり出す。四ツ目館長は「からみは尾小屋の人々が生活に取り入れていた遺産。からみと尾小屋を多くの人に知ってほしい」と来場を呼び掛けている。

 当日は午後四時から、参加無料の見学会も開く。同五時ごろから県内のオカリナ愛好者五人が、「上を向いて歩こう」など約十曲を演奏する。公共交通機関はない。現地の駐車場は二百〜二百五十台分あるが、乗り合わせでの来場を呼び掛けている。(問)保存会の広田芳雅さん0761(57)3210

 

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