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日韓 芸術で近づける アートスペース交流5年目

作品について話す(左から)河振さん、斎藤雅宏さん、趙炳喜さん、李恩貞さん=金沢市野町のKapoで

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韓国の2人、金沢で滞在制作

 金沢市野町のアートスペース「Kapo(カポ)」と韓国の芸術家らの交流が今年で五年目を迎え、今夏も二人が来日して滞在制作を進めている。Kapoに集う彼らは「ちっぽけな私たちの取り組みでも、こんなことが集まって日韓は近づけるはず」と前向きだ。十七日午後五〜九時には、創作の最終過程を見学できるオープンスタジオを催す。(辻渕智之)

 「ミエナイカベ」(見えない壁)。間もなく完成する作品のコンセプトだ。歴史や文化、社会あるいは心の壁の存在と消失を表現しようとしている。

 二人のうち、河振(ハジン)さん(46)は街に散らばる砂や破片を、壁が時間の流れで崩れ去った痕跡と捉えて拾い集め、作品にしようと思っていた。「でも金沢の街はきれいすぎて、材料が集まらなかった」と笑う。そこで別の手法に取り組んでいる。

 もう一人の李恩貞(イウンジョン)さん(45)は街を歩き、さびたトタン壁や古びた木の塀の凹凸を紙に写し取った。

 河さんは日本に来たのが初めて。日韓政府の対立が深まり、来日前には「飲食店で韓国人と気づかれたら、食べ物に変な物を入れられるかも」と心配した。実際は違っていた。「金沢は昔と今が衝突せず、調和した素晴らしい街だった。来てみて、考え方が変わった。そんな小さな変化が今、韓国と日本の間では大事だと思います」

 Kapoの代表ディレクター、斎藤雅宏さん(38)は「彼らには日本や金沢の文化を理解するいい機会になるし、金沢のアーティストにとっても彼らと直接話せて作品も見て刺激になる」と交流を続けてきた。

 二人の作品は完成後に韓国へ運ばれ、九月上旬にソウルのアートスペース「Gong(コン)」で展示される。斎藤さんと金沢、ソウルで芸術イベントを催してきたGongのディレクター、趙炳喜(チョビョンヒ)さん(50)は「金沢とソウルのアーティストたちが共感できる。金沢での経験は彼らの中で何かが変わるターニングポイントになっている」と語った。

 オープンスタジオは入場無料。Kapoは「野町三丁目」交差点のすぐ東側。

 

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