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輪島の朝市組合 分裂長期化 観光地早めの収拾を

大勢の人でにぎわう輪島朝市=輪島市河井町で

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 日本三大朝市の一つに挙がる輪島市の観光地「輪島朝市」の分裂が長期化している。昨年末の地域団体商標取得とそのためのNPO法人設立の議論をきっかけに、朝市を運営する市朝市組合派と運営に不満を抱く反組合派の対立が表面化。商標の議論が一区切りついた今でも、両者の溝は深くなるばかりだ。県内を代表する観光名所でもあり、イメージダウンにつながらないためにも早期収拾が望まれている。

 組合は今年一月、ブランド力向上などを目的に「輪島朝市」の商標取得を目指すことと任意団体の組合では商標が取得できないため、商標管理のためのNPO法人設立を総会で説明。二カ月前から勉強会を開くなどしていたが、一部の組合員が「説明不足」を指摘し、総会は紛糾。結局、一年間勉強する期間を設けることで折り合いをつけた。

 しかし水面下で火種はくすぶり続け、組合は三月、特定の理事を中傷したなどとして元役員ら二人を除名処分。一方、二人は地位保全や損失利益を求め組合を提訴し、除名に反対する組合員の有志が、処分の再審議を求めた請求書と賛同者の署名を組合に提出した。

 もはや両者が後にひけない分裂状態。双方の組合員の話を総合すると、今までの朝市でなくなるという変革に対する拒絶感よりも、根底には単純な人間関係が絡んでいることが浮かび上がってくる。

 「組合は一部の人間の都合の良い方向にものごとを進める。うまくいかなかったら一部の組合員のせいにするから、多くの組合員は怖くて何も言えない」と反組合派。設立を目指すNPO法人は商標の管理関係の事業のみを扱うと組合は説明するが、反組合派は、同法人がいずれは朝市そのものを運営し、一部の組合員が利益を得ると考えている人も少なくない。

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 一方、組合派はブランド力向上が朝市の将来につながる策だと強調し「社会環境が変わり続ける中、朝市の、そして輪島の未来を考えたら時代に合わせた改革は必須だ」と説明。「特定の組合員が利益を得ていればすぐに分かる。気に入らない人がいるから、思い通りにならないから、根拠のないうわさを広めて朝市を混乱させているようにしか思えない。まず考えるべきは朝市の未来ではないのか」と真っ向から反論する。

 現在、両者は係争中だが、分裂は来年一月にある二年に一度の役員改選で落ち着くと見る組合員もいる。ただ、東京五輪・パラリンピックまで一年。その先には大阪万博も控え、奥能登が誇る屈指の観光地を世界にPRするには絶好のタイミングだ。「内輪もめをしている場合じゃない」。波に乗り遅れることがないように願う市民から、そんな声も上がっている。

活気、楽しさ あるべき姿に

 輪島朝市を歩くと「兄ちゃんこうてくだ」、「見ていかんけ」と頻繁に声を掛けられる。里海里山の豊かな食材や輪島塗をはじめとした伝統工芸や雑貨を購入できることはもちろん、店主との楽しい掛け合いが輪島朝市の魅力だ。ただ、店主同士が分裂していれば、悪い空気が朝市に漂ってしまう。自分も朝市の魅力が損なわれる前に、分裂を解消してほしいと願う一人だ。

 

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