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囲碁・将棋

愛知出身、女子高生棋士が天元戦占う

 今春、囲碁の日本棋院中部総本部から二人の女子高生棋士が誕生した。愛知県立中村高校三年の高雄茉莉(まり)初段(18)と、同県立長久手高校二年の羽根彩夏初段(17)だ。プロ入りからもうすぐ半年。十月十一日に岐阜市で始まる「第四十五期天元戦」(中日新聞社主催)を前に、フレッシュな感想を聞いた。

羽根彩夏

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◆最終局までもつれる 羽根彩夏・初段

 公式戦通算成績は三勝四敗。惜しい対局を落としたこともあり、決して満足していない。一年目の目標は、勝ち越しという。「まだ正座に慣れなくて。タイトル戦で長い時間座っていられる先生を尊敬します」とはにかむ。

 父の直樹碁聖(43)が先月、八年ぶりに七大タイトルの碁聖を手にした。「前に父がタイトルを取ったのは小学生の頃。祝賀会で走り回った記憶しかない」と振り返りつつ、「ベテランが若手に勝つのはすごい。でも、その日のうちに帰宅した父は、いつもとまるで変わらなかった」と明かす。

 プロ入りのお祝いにパソコンを買ってもらい、人工知能(AI)の手を研究している。自費で韓国に二度渡り、国際棋戦にも挑んだ。大阪市であったイベントでは、同期の小学生棋士仲邑菫(なかむらすみれ)初段(10)と浴衣姿で戦い、ファンを楽しませた。「強くなるだけでなく、大盤解説などでうまく話せるようになりたい」という。

 天元戦は直樹碁聖とタイトル争いした許家元八段(21)が、井山裕太四冠(30)に挑む。井山四冠を応援しつつ「最終局までもつれ込む」と予想している。

 学校の得意科目は数学で、テニスの部活動にも励んでいる。高校卒業後は進学せず、囲碁に打ち込むつもりだ。「自分はもう道が決まっている。あとは目標に向かって進むだけです」

高雄茉莉

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◆“雲の上”対決激戦に 高雄茉莉・初段

 公式戦通算成績は三勝五敗。デビュー戦は、院生師範として指導を受けた柳澤理志五段(31)を追い詰めながら、逆転負けした。最近は男性を圧倒する女性棋士の活躍が目立つ。「自分も男性参加の棋戦で結果を出したい」と意気込む。

 プロ入り後、一番印象に残ったのが関西での合宿だ。村川大介十段(28)らタイトルホルダーを含め数十人が参加した。真剣勝負を一日三局。まさに囲碁漬けの三日間だった。「自分より強い人ばかりで衝撃を受けた。自分はまだまだだと思い知らされた」

 注目の天元戦第一局が、来月に迫っている。「合宿でお世話になった先生も挑戦者決定戦で敗れた。頂点までの道のりが長く、対局する二人は雲の上の存在だと感じる」という。

 高校は理系クラスに進み、好きな科目は物理。プロになれなければ、今ごろ受験勉強に追われていた。「新設の制度でプロ入りできたのは幸運。これから囲碁で食べていけるのがうれしい」。休日は八時間、囲碁を勉強する。来年二月末に卒業した後は、韓国での武者修行を計画している。

 一年先輩の加藤千笑初段(18)と、同期の羽根彩夏初段は、長年共に切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間だ。「一緒にプロになれてよかった。三人で中部の女子囲碁界を盛り上げたい」と頼もしく語る。

 (岡村淳司)

 

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