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羽生、単独最多1434勝 27年ぶり更新

第60期王位戦リーグ白組プレーオフで永瀬拓矢叡王を破り、最多となる公式戦通算1434勝を達成した羽生善治九段=4日夜、東京都渋谷区の将棋会館で

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 将棋の羽生善治九段(48)が四日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第六十期王位戦(中日新聞社主催)の挑戦者決定リーグ白組プレーオフで永瀬拓矢叡王(えいおう)(26)に勝ち、通算勝利数を千四百三十四勝(五百九十一敗二持将棋(じしょうぎ)=引き分け)として、歴代単独一位の新記録を達成した。

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 これまでの記録は故大山康晴十五世名人が一九九二年に達成した千四百三十三勝で、二十七年ぶりの更新。大山十五世名人がプロ入り五十二年の六十九歳で到達した大記録を、羽生九段はプロ入り三十三年の四十八歳で追い抜いた。

 羽生九段は九六年に史上初めて、七大タイトルを同時制覇。その後も最多タイトル獲得(九十九期)、タイトル戦以外の一般棋戦で最多優勝(四十五回)など、数々の新記録を打ちたててきた。今回、通算勝利数でも頂点に立った。

 七〇年、埼玉県所沢市生まれ、東京都八王子市育ち。小学一年で将棋を始め、史上三人目の中学生棋士として八五年にデビュー。二〇一七年には、現在七つある永世称号の資格を全て獲得する「永世七冠」を達成し、一八年に将棋界初の国民栄誉賞を受けた。

 羽生九段は六日の挑戦者決定戦に進出し、紅組プレーオフで勝った木村一基九段(45)と対戦。勝者が豊島将之王位(29)=名人、棋聖=との七番勝負に出場する。羽生九段が王位を獲得すれば、前人未到のタイトル百期となる。

◆今年の大きな目標

 <羽生善治九段の話> (最多勝利の記録は)今年に入ってから一つの大きな目標にしてきた。この前の対局は残念ながら負けてしまったので、今日勝つことができて非常にうれしい。挑戦者決定戦が二日後すぐあるので、気力を充実させて臨みたい。

◆勝利数で風穴 棋界の革命家

 羽生善治九段の同世代には永世棋聖の資格を持つ佐藤康光九段(49)、永世名人の資格を持つ森内俊之九段(48)ら、飛び抜けた才能が集まった。彼らは「羽生世代」と呼ばれ、一九九二〜二〇一五年度の二十年以上、七大タイトル(当時)の過半数を独占。羽生九段はその先頭に立ち続けた。日本将棋連盟の会長を務める佐藤九段は「みんな羽生さんに追いつこうと実力を上げた。押し上げてもらった感覚」と振り返る。

 現在は多くの棋士の尊敬を集めるが、若手時代は先輩の反感を買うことも少なくなかった。対局中は「羽生にらみ」と呼ばれた鋭い眼光を相手に向け、大棋士の上座に堂々と座って批判されたことも。かつて将棋界は人生経験や棋士としての格が勝負を左右するとされたが、羽生九段はひたすら盤上の技術を磨いた。羽生世代の一人、先崎学九段(48)は「羽生さんは勝つことによって、古い将棋界を変えてきた革命家でもある」と指摘する。将棋に全てをささげる姿勢は、後進の指針ともなった。

 将棋界はこの数年、三冠を保持する豊島将之王位(29)ら若手の台頭が著しい。羽生九段も昨年末、二十七年ぶりの無冠に転落。しかしその後も世代交代の波にあらがって王位挑戦にあと一勝と迫った。先崎九段は「自分が苦しい状況になった時でも、羽生九段は頑張っているんだと思えば勇気づけられる。羽生九段は棋士の精神の象徴でもある」と、棋士たちの声を代弁した。

 (樋口薫)

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