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囲碁・将棋

新時代、覇権へ着々

 <解説> 豊島新名人は、圧倒的な強さで三つ目の栄冠を手にした。将棋界は昨年の一時期、八つのタイトルを八人の棋士が分け合い「戦国時代」ともいわれた。今回の勝利で頭一つ抜けた豊島名人が、新時代の覇権を握りそうだ。

 「名人」は、将棋の長い歴史を象徴する称号だ。初代名人は江戸時代初期の大橋宗桂。以後、限られた家元が名跡を継ぎ、約八十年前から対局で名人を決める実力制になった。名人位を五期獲得すれば永世名人となり、初代からの系譜に名を連ねる。現行タイトル戦は全て昭和以降に始まったが、名人戦はその中で唯一、江戸時代からの流れをくんでいる。

 このタイトルが特別なもう一つの理由は頂点に至る道のりの長さだ。挑戦者になるには、C級2組からA級まで五段階ある順位戦のステップを毎年一つずつ上らなければいけない。二年連続勝率トップの藤井聡太七段でさえ昇級を逃したほど厳しい生存競争。実績と地力がものをいい、他棋戦のように新顔が出にくい。

 それほど重いタイトルゆえ、昭和の東海棋界を率いた板谷進九段(一九四〇〜八八年)は「この地域から名人を出したい」との思いで後進育成に力を尽くした。その薫陶を受けた地元のプロ、アマ棋士やファンにとって、今回の快挙は新たな記念碑になる。

 豊島名人は幼い頃関西に引っ越したが、出身地の愛知県に熱心な支援者がおり、地域の普及イベントに積極的に協力してきた。今後は棋界のホープ藤井七段が挑む高い壁として、さらなる存在感を発揮するはずだ。

 (文化部・岡村淳司)

 

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