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「たじみべんかるた」を作成 富山大准教授・安藤さん

渡辺教育長(左)にたじみべんかるたを寄贈した安藤さん=多治見市教委で

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 多治見市出身で、富山大人文学部准教授の安藤智子さん(47)が「たじみべんかるた」を作り、市教委に寄贈した。多治見弁をしゃべれたり意味が分かったりする人は減っていることに危機感を持ち、子どもたちに言葉を引き継ぐことを考えた。今後、市内の小中学校や公民館などに配布される。

 安藤さんによると、多治見弁では、母音の「あ」と「い」、「う」と「い」、「お」と「い」が連続する場合、それぞれ「あー」「うー」「おー」と長音で発音するのが特徴のひとつ。例えば「の」のかるたは「のぉなると たるぅで つかおまぁ たじみべん」と書かれているが、標準語では「多治見弁がなくなると寂しいから使おう」という意味になる。

 安藤さんはロシア語などの発音研究に取り組んでいたが地元東濃地方の方言研究が手薄だったことから、多治見弁の研究を八年前から始めた。多治見市に住む六十代以上の人に単語を発音してもらってアクセントを確認したり、会話を分析したりしてきた。

安藤さんの作成したたじみべんかるた

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 研究を続けるうちに、多治見弁が失われつつあることが分かってきた。四十年ほど前にまとめられた多治見弁の資料を発見したが、記載されている多治見弁は現在七十代の人で半分ほど、四十代の安藤さんでは一、二割しか分からなかった。「話す人口がもともと少ないのも理由としてあるが、急速に失われている」と指摘する。

 高齢者からの聞き取りの際に、方言を話さない孫と言葉が通じないとの話を聞き、「コミュニケーションのきっかけにしてほしい」とかるたの作成に乗り出した。かるたは全四十四枚で、名産の陶器や古刹(こさつ)の永保寺、街を東西に貫く土岐川などを題材にした。発音をもとに読み札は平仮名で書かれており、発音の参考として札を読み上げる音声CDも作った。

 安藤さんは十一月二十九日、市教委を訪れ、渡辺哲郎教育長にかるた百六十セットとCD三十枚を手渡した。安藤さんは「多治見弁はきつく感じると他地域の人から言われる理由や、今の子どもたちがどのくらい多治見弁を話すのかなどを今後の研究で明らかにしたい」と話した。

◆記者のつぶやき

 多治見に赴任してから2年たちますが、ちょびつぅとる(ふざけて動き回る)など、まだまだ知らない多治見弁がありました。たじみべん、のこしてかなあかすか。(残していくべきだ)

 (渡辺真由子)

 【土平編集委員のコメント】今日紹介したのは、岐阜県多治見市や土岐市などを対象にした東濃版の記事です。中学、高校時代、東濃地方の同級生がいました。言葉を聞いていると、名古屋弁に少し似ているのかなと思うところもありましたが、微妙に違う部分もある。そのうち慣れて、気にならなくなりました。記事によると、多治見弁は急速に失われているとか。方言は消えていく運命なのかもしれませんが、少し寂しい。昨夜、酒場で名古屋弁の話で盛り上がったばかりだったので、しみじみそう思いました。 

 

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