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<緑の落城 FC岐阜 12年目の降格> (中)選手獲得の手腕弱く

10月30日の鹿児島戦に敗れ肩を落とす前田選手(左)ら岐阜イレブン。残留を目指して行った途中補強が実ることはなかった=鹿児島市の白波スタジアムで

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 J1経験が豊富な元日本代表のFW前田遼一選手、ガボン代表のMFフレデリック選手ら。開幕前に過去最大の補強に成功したFC岐阜は、二月二十四日にホームで山形と対戦した開幕戦を2−0で快勝スタート。サポーターは明るい未来を予想したはずだが、期待も長くは続かなかった。

 一方で、大木武前監督の体制で昨季飛車角級の活躍をした選手はクラブを離れ、新天地で活躍した。昨季8ゴールを挙げたMF田中パウロ淳一選手は、今季レノファ山口で三十六試合に出場し5得点を挙げた。

 田中選手は昨季最終戦で、「来季は岐阜のエースとして活躍したい」と決意を語ったが、その後に「新人選手よりも年俸が安い。立場がなく、移籍するしかなかった」とフロントを批判し、チームを去った。

 戦力として計算できる選手に誠意を欠いた半面、割高とされる外国人選手は近年GKを除き、ピッチで輝きを発揮することは少ない。今季も、下位に低迷してから慌てて複数の選手を補強したものの、途中加入の選手が期待に応えたかといえば、そうではなかった。

 岐阜と残留を争い、補強した外国人選手の活躍で終盤に勝ち点を積み上げた鹿児島ユナイテッドFC、栃木SCとは対照的だった。北野誠監督も「外国人選手の差が出た」と認める。

 昨季は営業収益が初の十億円を突破し、純利益で一億円余りを計上した。宮田博之社長は「黒字額はほとんどが選手採用に流れていて、寝ているわけではない」と強調した。

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 しかし、あるスタッフは「黒字を出すために支援しているわけではない」とスポンサー企業から苦言を呈されたことを明かす。選手獲得への投資と順位に相関関係があるプロの世界では、投資を渋ったと判断された。

 とはいえ、投資しようにも適切に資金を投入できたかといえば、難しかっただろう。選手獲得を担う強化担当のスタッフはわずか二人。林幹広地域振興グループリーダーは「J2では少ない」とし、「将来を見通した補強は難しい」と吐露した。

 債務超過で存続の危機も経験したクラブは、特定の企業母体を持たず「オール岐阜」の体制で歩んできた。その歩み自体は誇れるものだ。だが、十二年間もJ2で戦いながら毎年残留争いを強いられ、予算規模の小さなクラブにも先を越された。

 考えられる理由の一つが、継続性に欠けることだ。十二シーズンで、監督を務めたのは実に九人。次々と代わるのは指導者だけではない。数年で入れ替わる県と地銀二社の出向組が部長級でいる一方、プロパーの部長は一人にとどまる。これでは、なかなか中長期的なビジョンは描けない。

 Jリーグが始まって二十六年。J3を含めて各チームが成熟していく中で、岐阜は組織として成熟するスピードは遅かった。宮田社長は「企業として、もっと中身も体制も良くしていかないといけない」と常に口にしてきたが、他チームに立ち遅れた結果が、降格という現実を招いた。

 

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