トップ > 岐阜 > 11月9日の記事一覧 > 記事

ここから本文

岐阜

繰り返す盗み“快感” 精神疾患の「クレプトマニア」指摘も

各務原市の男性が毎日、日々の生活を反省するために付けているチェックシート=同市内で

写真

 新聞を万引した岐阜市内の男(64)に岐阜地裁が八日、懲役一年六月の判決を言い渡した。男は過去にも新聞などを盗んで服役したことがあり、窃盗より量刑が重い、常習累犯窃盗の罪に問われた。男は、公判で「やめたいと思っていたけれど、やめられなかった」と述べていた。

 判決によると、男は八月二十六日、岐阜市内のコンビニで新聞二部(計三百円)を盗んだ。男は窃盗の前科が三件ある。うち二件がコンビニでの新聞の万引。二〇一五年、窃盗罪で懲役八月の判決を受けて服役していたため、常習累犯窃盗の罪で、検察側から懲役三年を求刑された。佐藤由紀裁判官は、判決理由を「常習性は顕著」と説明した。

 なぜ、繰り返すのか。常習累犯窃盗は、精神疾患の一種のクレプトマニア(窃盗症)が指摘されるケースもある。

 依存症治療の拠点となっている各務原病院(各務原市)では、盗んだときに快感を覚える人への治療プログラムを実施している。

 精神科ソーシャルワーカー沢木幾佐さん(49)は「窃盗症の定義はさまざま。薬物依存や摂食障害といった心の問題を抱える人もいる」と説明する。

 各務原市の四十代の男性は十歳で盗みを始め、十回以上逮捕され、服役した。気づかれずに商品を取った時の「やった」という感覚が忘れられなくなるという。四年前、携帯ラジオや懐中電灯などを取ろうとして捕まった際、警察官に病院に行くよう勧められた。

 同病院で窃盗症を指摘された。「今まで病人という意識はなかった。病気だと治るかも」と愛知県などの自助グループに参加するようになり、一七年に県内の自助グループ「KA岐阜」を設立した。市内で週二回開くミーティングには二、三人が集まり、盗みの衝動をどうすれば克服できるかを語り合う。

 男性は「盗みをした罪は消えない。ただ、盗みを止めるための治療やグループがあることを当事者や悩む家族に知ってもらいたい」と話す。

 (藤原啓嗣)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索