トップ > 岐阜 > 8月14日の記事一覧 > 記事

ここから本文

岐阜

徹夜おどりに合わせ深夜営業 白鳥「おもちゃのごんぱち」

常連客の子どもたちを迎える野々村さん夫妻。店にはおもちゃと駄菓子が並ぶ=郡上市白鳥町で

写真

 郡上市白鳥町白鳥の「おもちゃのごんぱち」が、十三日から十五日まで続く白鳥おどりの徹夜おどりに合わせた深夜営業をしている。戦後間もなく小さな駄菓子屋として生まれた店には、白鳥の子どもたちの思い出が詰まっている。就職や進学で町を出た人たちが帰ってくるお盆を迎え、店を守る野々村昇さん(80)、清子さん(76)夫妻は「また懐かしい顔が見られる」と、再会を楽しみにしている。

 店は長良川鉄道美濃白鳥駅近くにある。百平方メートルほどの店内にはおもちゃやプラモデルのほか、百種類を超える駄菓子がずらり。店の隅にはテーブル席があり、かき氷やジュースを囲んで休むことができる。

12日夜開かれた徹夜おどりの前夜祭。多くの人たちが古里に帰ってきた=郡上市白鳥町で

写真

 客は幼児から高校生まで幅広い。清子さんは「小さな子たちが五十円、百円の買い物をしながら、学校や友だちの話をしてくれる」と話す。店の壁には、清子さんが撮影した子どもたちの記念写真が三百枚も並ぶ。友だち同士でほほ笑む郡上北高校の女子生徒は、もう三十四歳になった。

 お盆の深夜営業は数十年前に始め、午前八時から午後六時までの営業を翌日午前四時まで延長している。商店が少なくなった町には、子どもが気軽に立ち寄れる場所はない。店の常連だった子が親となり、子どもの手を引いて訪れる。

 昇さんは「おじさん、まだ店をやっとるんかとよく言われる。みんなが懐かしい話をしとくれて、うれしくなる」と話す。清子さんは、結婚間近の女性から「店に来ておばさんに会うたびにほっとした」と言われ、泣きそうになった。二人で休むことなく店を開け続けた日々が、多くの子どもたちの成長と重なる。

 昇さんによると、店は戦争で夫を亡くした母ゆとさん(故人)が、名古屋の闇市で仕入れた食べ物を売ったのが始まりだった。昇さんは中学を出ると同時に店を手伝い、一九五八(昭和三十三)年に起きたフラフープの爆発的なブームも経験した。しかし、子どもがゲーム機やスマートフォンで遊ぶようになると、おもちゃの売り上げは激減。かつて白鳥町に五軒あった玩具店は一軒だけになった。

 高齢のため足が悪い昇さんは近い将来、閉店も仕方ないと覚悟している。それでも、お盆の深夜営業は毎年続けてきた。昇さんは「朝まで店に立っとれるか分からんが、子どもらが来てくれるうちは今年も頑張りたい」と話している。

 (中山道雄)

 【土平編集委員のコメント】 今日紹介したのは、岐阜県関市や郡上市を対象にした中濃版の記事です。子どものころ、近所の駄菓子屋に行くのが楽しみでした。今はもうありませんが、舌が真っ赤になるイカやラムネ菓子を懐かしく思い出します。幼いころのそんな思い出がいっぱいの店が今でも営業している。白鳥町で育った人にとっては、帰省した際には、ぜひ訪れてみたいことでしょう。徹夜おどりの際には午前4時まで営業というのも、うれしい。大変でしょうが、野々村さんご夫妻には今後も体に気をつけて続けていただきたいものです。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索