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五段神楽の楽人に協力隊男性 白鳥・石徹白で19日奉納

五段神楽を舞う黒木さん(左)と石徹白芽依沙さん=郡上市白鳥町石徹白で

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 郡上市白鳥町石徹白の白山中居(ちゅうきょ)神社で十九日開かれる春季例大祭に向け、石徹白小学校の女子児童二人が舞う「五段神楽」の練習が続けられている。今年は神楽を演奏する楽人(がくじん)に、福島県から移住してきた地域おこし協力隊の男性が仲間入りした。平安時代以前に起源をさかのぼるとされる神楽は、新しい住民の力も借りて大切に守られている。

 石徹白は岐阜、福井県境に広がる人口約二百五十人の静かな山里。五段神楽は鳶(とび)の舞、二人舞など五曲があり、三十分ほどかけて奉納される。神楽を舞う姉巫女(みこ)は四年黒木美佐さん(10)、妹巫女は三年石徹白芽依沙さん(9つ)で、当日は赤地に金襴(きんらん)の衣装で神前に立つ。

 会社員上村政時さん(57)を中心とした楽人は大太鼓、小太鼓、笛など五種類の楽器を奏でる。今年は小太鼓を三十年以上も担当してきた神社責任役員石徹白秀也さん(57)が、自らの後継者として地域おこし協力隊の大西啄也さん(44)を指名。八人の楽人の一員となった大西さんは十三日夜、石徹白上在所コミュニティセンターで開かれた練習会で、初めてばちを握った。

 大西さんは、次々に演じられる黒木さんらの舞を見て「ぐっと迫ってくるものがある。リズム感のない自分に楽人が務まるんだろうか」と緊張気味。それでも、正確に速いリズムを刻む石徹白秀也さんの手元を見つめ、自分も手を動かした。石徹白さんは「一年かけてもたたけないならだめだな」と笑いながら、演奏のこつを丁寧に説明していた。

 五段神楽は昔から絶えることなく奉納され、巫女は石徹白の女の子の憧れだった。扇や鈴を手に舞った黒木さんは「演奏に合わせるのが難しい。音に気をとられると失敗します」と話した。指導者の石徹白保育園長・鴛谷智恵美さん(56)によると、舞は歩数まで細かく決まっているため、楽人と息を合わせることが一番重要になる。午後七時半に始まった練習は一時間続き、張り詰めた空気が伝統の重さを感じさせた。

 石徹白は近年、豊かな自然と歴史文化にひかれて都会から移り住む若い人たちが目立っている。楽人の一員で、六年前に川崎市から来た介護士広中健太さん(37)は「一歳の娘が巫女になれたらと願っている。その日が来たら、娘のために演奏してやりたい」と語った。春季例大祭は十九日午前十時に始まる。

 (中山道雄)

石徹白秀也さん(右)から小太鼓の演奏方法を学ぶ大西さん=郡上市白鳥町石徹白で

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